第六十八話 Sigma Virus Maze-Cyber Maze Core-
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降り懸かる。
エックス「うわああああーーーっ!!!!」
金属の塊が頭を打っても、瓦礫が周りに散乱しても、エックスは決してゼロとルインを手放したりしなかった。
エックス「ゼロ…ルイン…帰ろう…3人で一緒に……」
零空間の爆発はその凄まじさを強め、エックスの意識は刈り取られた。
朝焼けの空が広がっている。
まだ高度のない太陽が静かに照らしている。
美しい空と打って変わって、地上は零空間の建物の無残な残骸が散乱していた。
エックスとルインは零空間があった場所から少し離れた場所で寄り添うように倒れていた。
ゼロはいない。
2人だけが日の光を浴びていた。
その2人もまた残骸と呼ぶに等しい状態であった。
下半身を失い、ボロボロになって倒れ、瞳を閉ざしている。
もう目覚めることはない。
レプリロイドの修理を行う者ならば、皆さじを投げそうな状態。
2人の表情はとても穏やかだった。
戦いに疲れた彼等はまるで眠っているかのようだった…。
「まだじゃ…」
2人の傍らに青白い光が浮かび、ライト博士の姿を作り上げた。
ライト博士は慈父の眼差しで穏やかに眠るエックスとルインを見下ろす。
ライト「もうゆっくり休ませてあげたいが…後少しだけ…頑張っておくれ…エックス…そしてルイン…君の記憶を少しだけ呼び覚まそう…」
ライト博士が触れると、エックス達の身体が元通りになっていく。
太陽が天に昇り、柔らかな日差しを受けた2人が目を覚ました。
エックス「ん…俺は…」
ルイン「あれ…?私は…」
起き上がり、2人は両手を見つめた。
手も、足も、ルインに至ってはシグマに貫かれたはずの胸部も無傷。
最初から戦いなどしなかったかのような、煌めくボディ。
確かに戦いはあった。
現に目の前には夥しい残骸が転がって、白日にさらされていた。
あの爆発から2人は奇跡的に生き残ったのだった。
エックス「ゼロは…ゼロは何処だ!!?ゼローーーッ!!」
ルイン「ゼローーーッ!!」
ゼロの姿はどこにもいなかったが…。
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