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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十話 それぞれの練習へ
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った。

超速移動?それとも別に種が有るのだろうか?いずれにせよ移動が見えず、そのまま死角に回り込まれてしまうのは厄介だ。だが……

「『…………』」
『お兄ちゃんよりも……!』
兄に比べれば、速さも、キレも、重さも劣る!

そのまま一気にラッシュに突入した二人は、互いの攻撃を次々に躱し、いなし、受け止める。
打ち合いを続ける内に、シャンテもまた、ヴィヴィオが刃面を殴って来る理由を悟り始めていた。

『なるほどね。デバイス……あのうさ吉が頑張ってる訳だ』
ヴィヴィオのデバイス、クリスこと、セイクリッドハートの現在の設定は、極防衛、補助制御型設定である。
近接戦闘時のセイクリッドハートは原則として、そのリソースのほぼすべてを防御魔法のサポートにつぎ込み持ち主を守るため、筋力増幅等に最低限しかリソースを割くことがない。
代わりに、殆ど常に防御型の魔法を展開しているため、原則として刃物相手でも打ち込む事に躊躇が無い。

『言ってみりゃ、全身防具装備済み……ッ!?』
『そこっ!』
並列思考で考え込んでいたシャンテに対して、突然ヴィヴィオの動きが変わった。振り切った右のブレードを軽く頭を下げて紙一重で躱すや否や、一気に懐に踏み込んで左のストレート。

『ちょっ、見切られたっ!?』
即座に左のブレードの絵で防ぐと同時、斬り返す要領で右のブレード振り切り距離を取る。

『見えてた……?いやいや、見えなかった筈!』
『分かってきた分かってきた!』
シャンテの見えない動きのタネとは、幻影隠蔽(ミラージュハイド)だ。この魔法は自身の居る場所とは違う場所に自らの幻影を作りだし、他者に自己の位置を誤認させたり、自身の姿を消して自分が其処に居ないように見せかける、視覚攪乱に使用される魔法である。
元来、彼女のデバイス、幻影(ファンタズマ)の名が示す通り、彼女は幻惑、認識阻害系魔法を得意とする魔導師なのだ。
シャンテはこの魔法を使って、相手に対して自分が見えないほどの超高速移動をしているように、「見せかけて」居るのだ。なので、視覚的に彼女の動きを認識する事は手品のタネを見破らない限り絶対に不可能……のはず。

『こんなに早く見破られてはシャンテさん自信喪失間違いなし!』
『シャンテが消えたら、見えない所に注意!』
まぁ、実際の所ヴィヴィオとてこの短時間でシャンテの魔法の仕組みを見破った訳ではない。唯、彼女の動きには、姿を消した場合此方の死角に現れると言う、一定のパターンが有るのだ。
其れが分かって居れば、シャンテが消えた瞬間に自分の背後か左右後方、あるいは上に全力で神経を集中させれば、何処から攻撃が来るのかは読める。一度ブレイク二人は離れ、お互いに構えを解かず向き合う。

「むむむ……陛下強くなってない?シャンテさんち
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