ターン12 泥水と永久電力
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
『難しいこと考えるなよ、遊野清明。それよりも、さっき十代に万丈目って言ったろ?そいつらは今どうしてるんだ?十代はいまだに行方不明、万丈目は真っ白に染まってお前のことを敵としか見てないぜ。目の前にいる三沢だって、口じゃあ立派なこと言ってはいるが所詮は光の結社さ。お前の友を次々に奪っていった、憎い憎い光の結社だよなぁ?ほら、もっと憎むんだよ』
彼の頭の中で、また声がした。残念ながら三沢にはその声が聞こえていない。もし聞こえていれば、たとえ清明を殴りつけてでも止めただろう。だが、清明はその声に耳を傾けてしまった。それを聞いて、自分が今すべきことを思い出す。さっきの疑問もどうでもいい。今考えることはただ一つ、光の結社を潰して皆を取り返す、ただそれだけだ。
「来い、三沢!」
「言われなくても、このターンで終わらせてやるとも」
「えっ」
格好つけて言ってみた台詞に予想外の自信満々な返しをされ、ちょっと慌てて素が出る。そんな様子を意に介さず、三沢が待ち続けていたカードを場に出した。
「俺のカードはこのモンスター、RAI−JINだ!」
RAI−JIN………漢字で書くと雷神。どことなくアメコミヒーロー風の派手な衣装に身を包み、雷の形を模した黄色のサングラスをかけた赤髪の若い男が、派手なスパークを起こしつつ天井から飛び降りてスタイリッシュに着地する。そして全身から電気を放つと、そのパワーの一部が単四型に降り注ぐ。
「このカードは、自分フィールド全ての光属性モンスターの攻撃力を墓地の光属性モンスターの数につき100ポイントアップさせる能力を持つ。今の段階で俺の墓地にいるのは単四型、燃料電池メン、サンダー・ドラゴン、エレキリンの4体。よって攻撃力は400ポイントずつアップだ」
RAI−JIN 攻?→400
電池メン−単四型 攻0→400
「た、たかがその程度で驚かさないでほしいね。それに、エクトプラズマーの効果で参照するのはモンスターの元々の攻撃力!いくらフィールドで全体強化を掛けたって無駄なのさ!さらに、ここで伏せカードのうち1枚を発動、リビングデッドの呼び声!甦れ、シーラカンス!」
超古深海王シーラカンス 攻2800
「確かにな。だが、この俺のセットモンスター………お前がボタン型だと信じこんだこのモンスターの効果がここで生きてくる。反転召喚によるリバース効果発動、魔道雑貨商人!」
4本の腕にそれぞれ妙なアイテムを手にした商人ファッションのコガネムシが、三沢のデッキをデュエルし救から抜き出して勝手にぱらぱらとめくる。そして上から12枚ほどのカードを無造作に墓地へ突っ込むと、無言のまま1枚のカードを持主に手渡した。
「このモンスターがリバースした時にデッキの上から魔法か罠
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ