ターン12 泥水と永久電力
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とも思いませんでしたが、問題はその次の日からです。学年も出身校も関係なく、校内を歩いている光の結社の仲間が突然現れた奴にデュエルを挑まれるようになり、再起不能とまではいかないまでもボロボロにされてるんです」
「ボロボロに?喧嘩でも売っているんですか?」
「ち、違います!」
上ずった声で何かに怯えながら叫ぶ一人の少年。斎王様の前だぞ、口のきき方に気をつけろと周りの生徒が彼を止めようとするが、それどころではない少年は制止を振り切って斎王の前に進み出る。
「俺は、その、確かにデュエルを挑まれたんです。奴と勝負した最初の一人です。あいつは間違いなく化け物ですよ!やってることはただのデュエルのはずなのに、ライフが減ってダメージを受けるたびに俺の体にまで痛みが走ったんです!しかもサレンダーすらさせてくれないし、もうどうしていいかわからなくて………!」
「なるほど。三沢君、君は確かその現場の一番近くにいたそうだね。君は去年,
わけあって闇のデュエルをしたことがあると聞いているが、これについてどう思う?」
「おそらくは奴が一方的に仕掛けたのでしょう。俺の知っている闇のデュエルは敗者が命や魂を取られるほどのものでしたが、そんなことをする気はないのだと思います」
淡々と話す三沢だが、目を見れば彼もこの事態にかなり動転しているのがわかる。それはそうだろう。たとえ進む道が違うことになっても、彼にとって遊野清明という人間はいまだに友人なのだ。
「ふん、どうせ世間の目でも気にしているだけだろう。どうやっているのかはともかく、このまま奴を野放しにしたら、何をしだすかわかったものじゃない」
一方、万丈目をはじめ同じく彼の友人だった他の生徒の意見は違う。彼ら彼女らにとって遊野清明とはどんな技を用いたのかはわからないが、自分らの仲間を傷つけ崇高なる斎王様の目的を邪魔する愚か者でしかないのだ。
それがわかっているからこそ、三沢は斎王に先手を打って進言する。万丈目たちに任せていては、どんな過激な手を取るか分かったものではない。
「どうでしょう斎王様。ここはひとつ、この三沢大地にお任せください」
「待つんだ、三沢。ここはこの万丈目ホワイトサンダーに任せておいてくれ」
ここで万丈目は、あくまでも純粋な親切心から言っているだけだ。普段は威張った態度が目につくが、ここぞという時には自分の部下や味方を危険な目にあわせまいと自分が真っ先に動く。そんなカリスマ性があるからこそ、光の結社の中でも万丈目は斎王に次ぎナンバーツーの立ち位置を得ることとなったのだ。
だがその親切心は、清明と万丈目たちを引き離したい三沢にとっては邪魔でしかない。どう言って断ろうかと脳をフル回転させるが、その時意外なところから助け舟が飛んできた。
「いえ、ここは三沢
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