ターン12 泥水と永久電力
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「邪魔邪魔ぁ!シーラカンスでダイレクトアタック、マリン・ポロロッカ!」
「うわあああっ!す、すみません斎王様………」
魚の王の突撃をまともに受けライフが0になった誰か。名前がわからないどころか顔も見たことないってことは、多分ノース校の人なんだろう。でもまあ、そんなことはどうでもよかった。吹っ飛んだ今までの相手は放っておき、周りにまだ何人かいた白い制服をぎろりと睨みつける。
「………それで?次の相手は誰?」
まだ足りない、もっとデュエルがしたい。こんな雑魚相手じゃ物足りなさすぎる。この中で一番強そうなのは誰かな、と。
「ひええええっ!助けてー!」
リーダー格の男に目を付けた瞬間、それを感じ取ったらしくとっとこ逃げていく。金魚のフンのようにそいつについていた数人も、それを見て我先にと逃げ出していく。
「ふぅ、逃げちゃったか」
別に逃げるような相手に興味はない。もっと歯ごたえのある白制服を探して、ぶちのめす。ただそれだけだ。
次の獲物を探して校内をうろついていると、ちょうど三沢が階段を上っているのが下から見えた。ふむ、三沢か。さっきのとは違って、少しは楽しめそうだ。一瞬でも気を抜いたら僕がやられるかもしれない。だからこそ、潰しがいもあるだろう。
「みーさーわくーん、あーそびーましょー!」
手を振りながら声を張り上げると、びくっとした様子でこちらを見る三沢。はて、そんなに怖かったんだろうか。あ、よしよしちゃんとこっち来たね。それじゃあ………覚悟しろ、三沢。これといって君に恨みはないけれど、あえて言うならホワイト寮に入ったお前が悪いんだ。
その1時間ほど前。ホワイト寮と化した元オベリスクブルーの一室で、何人かの生徒と斎王が白いレースのかけられた机を囲むようにして座っていた。その輪の中には、三沢の姿もある。部屋中が白で統一され、窓からはあふれんばかりの日差しが降り注いでいる。にもかかわらずどこか重苦しい空気が漂う中、斎王の言葉が響いた。
「なるほど。つまり、ここ最近遊野清明の調子がおかしい、と」
「は、はい。まさか、あいつがあんなことになるなんて………」
普段の彼にはまるで似合わない固い調子で弁明の言葉を発しようとする鎧田を手ぶりで止めて、その横にいた万丈目が代わりに口を開く。
「すみません斎王様。本来は俺たちの手で処理すべき問題なのですが、どうも去年までの遊野清明という男とあまりにも違いすぎるので、一応報告にと」
「ふむ、構いませんよ。それで、どのようなことになっているのです?」
「3日前の、ノース校にいる我々の仲間がこちらにやって来た日に俺は奴をワンキルしてやりました。そうしたら次の日、奴は体調不良とやらで一日中学校に来ませんでした。その時は別に堂
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