第三十二話
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パソコンの画面を切り換える。ホシノ少佐が、俺の左隣に来る。パソコンの画面を食い入る様に見つめるホシノ少佐。余り表情の変化は見られないが、多分内心驚いているだろう。俺が見つけた時だって、驚いたからな。
「不動准将。これはもしかして」
「ホシノ少佐の気づいた通り、月にある全てのハイヴの内部マップだ」
そう。何故か神様仕様のパソコンの中に入っていたんだ。しかも、リアルタイムで更新され続けているし、BETAの数や場所、何処を抜ければ最短かどうかまで表示されている。月編、地球編、火星編に別れている。
「何でこんな物が有るのですか?」
ホシノ少佐が俺を見る。その金色の瞳には、何故?と言う疑問が宿っていた。
「俺にも分からない。ただ」
「ただ?」
「女好きな神様がしてくれた、気まぐれだな」
初老の姿で笑うゼウスが脳裏に浮かぶ。神様なら、これくらいの事ならいとも簡単にやってのけるだろう。
「まあ、頂いた物ですから有効活用しますか」
「そうだな。オモイカネを経由して、全軍にデータリンク出来るか?」
「余裕で出来ますよ」
何故か、右手でピースを作り俺に向ける。取り敢えず、訳が分からないが左手で頭を撫でてあげる。サラサラとした髪の毛の触り心地が良かった。
「ッ!なんで、撫でるのですか?」
少し頬が紅くなっている様に感じたが、恐らく照れているのだろう。
「さあ?何と無く撫でたかったからかな?」
「何と無くで頭を撫でるとは、不動准将は不思議な方ですね」
「そうか?」
少なくとも、ホシノ少佐よりは不思議な人間では無い気がするんだがな。
「そうです。そうやって無意識の内に女の子を、虜にしていくなんて(ボソボソ)」
「なんか言ったかい?」
「いいえ。何も言ってませんよ」
なんか、ホシノ少佐がボソボソ言った気がしたが、気のせいだったようだ。
「不動准将。休憩になさいませんか?」
イルマ中尉が、笑みを浮かべながら俺に休憩を勧めて来る。腕時計を見ると大分時間が経っていた。
「そうだな。休憩にしよう」
イルマ中尉の提案に、笑顔で答える。何やら皆、顔が紅くなっていた。風邪でもひいたのかな?
「では、ソファーにお掛けになってお待ちください」
イルマ中尉に勧められ、自分のデスクから立ち上がり、ホシノ少佐と共にソファーに腰掛けて、コーヒーを待つのであった。
悠斗sideout
ルリside
不動准将に呼ばれて、彼の執務室にシーマ中佐とイルマ中尉と共に入室する。中に入り、簡単な挨拶を交わしたのち、私は不動准将の隣に行き、パソコンのモニターを見ると、リアルタイムで更新されている画面が映し出されてい
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