暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0722話
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真に写っているのは、随分と幼いが間違い無くランカだった。
 幸いと言うべきか、不幸にもと言うべきか、今のランカは年齢に比べても酷く幼い。それ故に写真のランカと今のランカが繋がったと考えれば、ランカにとっては嬉しく無いんだろうが。

「え? なんでランカちゃんの写真がここに?」

 混乱したように、写真と俺を見比べるシェリル。色々と収穫はあったが……この場をどうしたらいいんだろうな。
 俺が何も言わないのに業を煮やしたのか、写真へとそっと手を伸ばすシェリルだが……その指先が写真立てへと触れた瞬間、中の写真諸共に写真立ては砕ける。
 いや、写真だと思っていた物も砕けたところをみると、これは写真立てじゃなくて、いわゆるデータを映し出すフォトフレームのようなものだったのか。

「あ……」

 自分が触れた事でフォトフレームが砕けたのに驚いたのか、シェリルが思わずといった風に声を出す。
 だが、すぐに我に返った様に俺の方へと視線を向けて口を開く。

「ねえ、今の……ランカちゃん、だったわよね?」
「そうだな」
「何でって聞いてもいい?」
「……そうだな、ここまで巻き込まれた以上、シェリルにとっても他人事じゃないか」

 呟き、第117次大規模調査船団唯一の生き残りがランカである事を説明する。もっとも、さすがにその後遺症とも呼ぶべき記憶障害についてはプライベートだろうから口にしなかったが。

「……そう。ランカちゃんがこの船の……」
「あの写真から見ても、恐らくここはランカに関係ある人物の研究室なんだろうな」

 多分、父親か母親といったところだろう。
 それを聞き、肩を落とすシェリル。
 ランカの実の両親が映っていると思われるフォトフレームを壊してしまった事を気にしているのだろう。

「とにかく悩むのは後だ。どうしても気になるんなら、フロンティア船団に戻ってからランカに謝るといい。……いや、今のランカは昔の記憶を失っているんだったか。なら義兄のオズマ辺りに話してみるといいかもな」
「え、ええ。そうね。そうさせてもらうわ」
「よし、ならこの話は取りあえずここで終わりだ。今はまずバジュラ関係の情報収集を最優先にしよう」
「……そうね」

 俺の言葉に頷き、2手に別れてバジュラについての情報が無いかどうかを探していると……

「アクセル! ちょっとこっちに来て!」

 その声に、シェリルの声がした方へと向かうと、そこには地下へと続く穴が開けられ、研究所のケーブルがその先へと続いていたのだった。
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