マクロスF
0722話
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が、一切残っていない?」
そう、コンピュータの中には一切のデータが残っていなかったのだ。それこそ、綺麗さっぱりと。ここまで来れば、バジュラの襲撃でどうこうといった訳では無く、明らかに意図的なものだろう。その証拠に、コンピュータのアクセス履歴はつい最近のものなのだから。
どうなっている? オゴダイは特に何も言ってなかったということは、奴ではない。いや、待てよ? ならオゴダイでないとすれば、残るのはテムジンか? あの反乱が計画的なものであったのだとしたら、裏で操っていた可能性が高いのがグレイス。推測に推測を重ねたような、ある種の思い込みとしか言えない予想ではあるが……もしそれが当たっているとすれば、このマクロスのデータを消したのはグレイスという事になるのか?
そんな風に考えていた、その時。
「ちょ、ちょっとアクセル。あれ!」
シェリルの、半ば悲鳴に近い声で我に返り、咄嗟に銃口をシェリルの指差している方へと向ける。
だが、そこに動く影は無い。その代わりとでも言うようにそこにあったのは、培養ポッドのような装置の中に入れられている異形の姿だった。
「バジュラ、か?」
その培養ポッドはかなり小さく、当然その中に入っているバジュラも、俺が幾度となく戦ってきた機動兵隊バジュラ、あるいは重兵隊バジュラとは比べものにならない程に小さい。戦艦であるナイト級バジュラに至っては言うに及ばずだ。
だが、バジュラが昆虫のような性格を持つ生体兵器である以上、当然生まれた時からあの大きさな訳はない。幼生体とでも表現すべき形態はある筈だ。そして、恐らくこれがそれなのだろう。
尚、バジュラの種別についてはガリア4に来る前にオズマから聞かされた種別だ。ハンマーヘッドシャークのような頭部をしているのが一番数が多い、機動兵隊バジュラで、赤くて重量子ビームを放つのが重兵隊バジュラ。バジュラ艦がナイト級と言うらしい。
「ここは予想通りにバジュラに関する研究をしていた研究所らしいな」
バジュラの幼生体の標本に驚き、思わず後ろに下がったシェリルを庇うように前に出ながらそう呟く。
取りあえず、この標本は入手しておきたい。だが、空間倉庫に入れるのをシェリルに見せる訳にもいかないしな。
「そうね、でもこの調査船団がバジュラを研究していたんだとしたら、それ程おかしな話でも……あら?」
不意に、不思議そうな声を口に出すシェリル。その視線の先には写真立てのようなものが……おい、これ。
思わずその写真立てへと視線を向ける。そこに映っているのは夫婦と思われる若い男女と、その子供。それはおかしな話では無い。ただ、決して見間違えてはならないのは……
「ランカちゃん?」
シェリルが、思わずといった様子でそう呟く。
そう。写
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