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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
錬金術師の帰還篇
32.怒りの神意
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制服の破れ目をアピールしようとした浅葱が、一人で勝手に自爆して騒いでいる。しかし、それに巻き込まれて彩斗も顔を真っ赤に染め上げる。
先ほどまで彼女のことを抱きしめていたことなど忘れているように。
「意外に平気そうだね」
友妃はホッとしたように声を出す。
雪菜も同意するようにうなずく。
「そうですね。でも、念のため病院で検査してもらったほうがいいと思います」
「それだったら深森さんに見せたほうがいんじゃねぇか? 普通の医師だと説明がめんどいだろ」
彩斗は少し頬に赤みを残しながらあくびしながら答える。
「それもそうだな」
「うーん。それならいっか。深森さんにも久しぶりに会いたいし」
浅葱が腕を組みながら言う。
「では、すみません。わたしはここで失礼します」
ちょうど駅に向かって分かれる道に差し掛かるところの信号で雪菜が礼儀よく頭を下げた。
「骨董屋に戻るのか?」
「はい。師家様に報告して、
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
への連絡をお願いしてみます。お預かりした式神も壊してしまいましたし」
雪菜が浅葱に聞こえない程度の小声で囁く。
あとで雪菜に訊いていたが彩斗の暴走から彼女を守って式神が破壊されたらしい。
「悪いな、姫柊。俺もついてくよ。最初から見てた俺がいたほうが説明もしやすいだろうし」
「それじゃあお願いします」
雪菜が小声で彩斗に囁く。
「それならボクもついてくよ。彩斗君だとなにを言うか心配だから」
「別に変なことは言わねぇよ」
彩斗は古城たちと別れて獅子王機関へと向かう。
「なんで獅子王機関出張所がホテル街にあるんだよ」
雪菜と友妃に急にホテル街に連れていかれてドキドキしていた気持ちがバカみたいに思えてきた。
ホテル街のレンガ造りの小さなビルだった。
骨董品店風の店が絃神島にある獅子王機関出張所らしい。
「まあ、そこは気にしないで」
苦笑いを浮かべながら友妃が骨董品店の扉を開いた。木製の扉がギシギシと軋んで、古い建物に特有の埃っぽい空気が流れてくる。
古い喫茶店のような雰囲気が漂っている。
「で、どこにいるんだ。その師家様ってやつは?」
人の気配が全くしない。
「──今度は何事だい?」
気負いなう洒脱な口調。艶やかに澄んだ声だった。
その声に気づいて雪菜と友妃が、素早く片膝を突いて頭を垂れる。
「師家様……!」
雪菜が呼びかけた先には誰もいない。ただ一匹の黒猫が、階段の踊り場に立っているだけだ。
しなやかな体つきの美しい黒猫だった。
「姫柊雪菜、参上つかまつりました」
「逢崎友妃、参上つかまつ
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