暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
75話:FW vs 副部隊長
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〜い?」
「……え?この模擬戦はその為に?」
「あれ?なのはから聞いてない?」

あちゃ〜、後でどやされるぞきっと。
そう言いながら頭をかく。ティアナは少し呆気に取られたのか、口が半開きになっていた。

「俺は基本的に現場指揮を任される立場だ。それなのに前線メンバーの実力も知らないとか、問題外だろ?」
「ハァ…」
「だから今度は―――」


「お前ら二人の実力、見せてもらうぞ」


その時ゾクリと、ティアナの背中に寒気が走る。今の士の表情が模擬戦前になのはが見せたあの黒い笑みに似ていたからだ。
近くにいたエリオも同じことを思ったらしく、顔を強ばらせて両手に力をいれた。

仕掛けるならこちらから、主導権を握られたらこっちに勝ち目はない。
そう踏んだティアナはエリオに念話で、指示を出そうとした。

[エリオ、先に仕掛けるわよ。いい?]
[…………]
[……エリオ?聞いてる?]

ティアナは再び呼びかけるが、エリオからの返事はない。流石に疑問を覚えたティアナは隣にいるエリオの方へ顔を向けようとした。

しかしティアナの顔が完全に横へ向く前に、エリオの姿が映った。
エリオは前に歩いていた―――つまりは、士に向かって歩いていたのだ。

「ちょっ、エリオ!?」
「すいません、ティアさん。ちょっとの間だけ時間ください」

呼び止めようとしたティアナを逆に制し、エリオはそのまま前に進む。
そして士との距離が5、6メートル程になったところでエリオは止まって士をまっすぐ見据えた。

「お、一対一(サシ)でやろうってか?いいねエリオ、俺はそっちの方がすk―――」

「士さん!!」

急に張り上げられたエリオの声に驚いて士は言葉を切った。真剣なエリオの表情を見て、士は彼の次の言葉を待つ。
エリオはゆっくりと小さな深呼吸を一回。こんな時に、大事な模擬戦で言うことじゃないのはわかってます。でも今言わなきゃ、後回しにしちゃいけないと思うから。

「あの時≠フ質問を……答えさせてください」

その言葉に士は眉をピクリと動かした。 なんの事かわからないティアナは首を傾げたが、士には分かった。

「昔に何があったからって、今の『僕』が変わる訳じゃない」

『僕』は『僕』だ、それは今もこれからも変わらない。


「僕は『僕』―――『エリオ・モンディアル』です!」


そう言い切ったエリオ。士は鼻で息を吐き、棍を肩に担ぐ。

「そうか…」
「はい」

自信のある返事に、士は空を仰いだ。
そして顔を戻した時には、先程の黒い笑みとは真逆の、なんの裏のない満面の笑みをしていた。

「いい答えだ」
「っ…!」
「その答えが……聞きたかった。合格だ!」

ほんと子供は、成
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