アカデミー編
毒薬
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試験中だからという事で、カンニング行為などに似た行為が行われ無い様に、今現在、部屋は封鎖されている。
扉にいる教師を倒して、教室から出るという手もありだが、今はカトナの体調の方が最優先だ。戦闘などして時間をかけたくはない。
ならば、この手しかないだろう。
次の瞬間、サスケは近くの窓枠に手をかける。
突然のサスケの行動に、腰を椅子から浮かせていたイルカが目を細めた瞬間、サスケは戸惑いなく、開け放たれた窓から飛び降りた。
いきなりのその行動に、イルカが慌ててサスケが落ちて行った窓から顔を覗かせて叫ぶ。
「サスケ、カトナ!!」
「わるい! カトナを病院に連れて行く!!」
「せんせっ、げほっ、ごめ、けほっ」
その言葉が言い終わらぬ間に、サスケは飛び降りた下にあった廊下の屋根に着地し、ある場所に向かう。
「カトナ、ちっ!」
「げほっげほっ、げほっ、」
こぷりと、股咳と共に喉から血が出た。気管を痛めている、だから血が出た。肉体的な攻撃は受けていない。即ち、毒の一種。
どこから混入された…?
考えろ考えろ考えろ!!
息が出来ず、のたうちまわりたくなるような胸の苦しさを感じながらも、カトナは必死に頭をめぐらす。
…保健室か!
数日前行われた、この学年の最後の行事と言ってもいいほどの目玉行事である、あの試験。
今までのアカデミー生活でどんなものが養われたのか、数日後に行われる合格試験に挑むほどの実力があるかどうかを探るためのものだった。
あの時、カトナはサスケと交戦後、呑気にねていてしまっていた。
サスケが自分を置いてから、シカマルが自分の看病に現れるまでの間は、彼に聞いたところでは約二十分ほどあった。プロの忍びなら、カトナに毒薬を仕込むことくらい、簡単である。
自分には監視もあるにはあったが、しかし、保険医などのアカデミーの教師が、治療と称してカトナの体に毒薬を仕込むことはたやすい。それに、薬は過ぎれば毒となるのだ。そこら辺にある治療薬でも、カトナの体を傷つけることは簡単で、監視の目からも逃れられやすい。
ちっ、とカトナは舌打ちする。
やはり、気絶は不味かったか。いや、気絶自体はサスケとの戦いを終えるために仕方なかったとはいえ、シカマルが来るまでの間がまずったか。…呑気に寝ていた自分が腹立たしい。
監視を頼ったわけではない、油断していたわけではない。だが、今更仕掛けてくる奴なんている筈がないのだと、安心してしまったのが運のつきだった。
そう思いながらも、カトナはサスケの腕を必死に掴み、ぱくぱくと、口を動かす。
「ここ、だっ、め」
ひゅーひゅーと、口からはかすれた、吐息のような声が漏れ出たが、サスケは一体カトナが何を言っているのかを理解し、アカデミー内部か
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