第二章
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「浄肉か?つまり」
「ああ、ユダヤ教の肉だな」
「血を抜いた肉か」
「それだな」
「間違いないな、つまりな」
「あれは間違いなくユダヤの連中だ」
「ユダヤの連中をここで殺したのは奴等か」
その奴等とは。
「大天使の連中、やりやがったか」
「二百はいるぞ」
「昨日の夜妙に騒がしいと思ったが」
「ここから嫌な声が聞こえたから来てみれば」
寒い朝にだ、彼等はあえてここに来て見て言うのだ。
「ここで殺して」
「そしてか」
「今吊るしているんだな」
「殺した奴等を」
「おい、見ろ」
兵士の一人がだ、死体達を指差して戦友達に言った。
「あの文字」
「!?あれは」
「なっ!!?」
誰もがその文字を見て驚いた、その文字は。
スタンプで押された文字だった、死体に押されたそれは。
『食用可』
こうあった、この文字に親衛隊の兵士達は背筋に寒いものを感じた。
何人かが吐いてだ、こう言った。
「駄目だ、俺は」
「俺もだ、何だこれは」
「食用だと!?そう思って殺したのか?」
「まさか奴等食うつもりか?」
「食うつもりじゃないにしてもそう思って殺したのか」
「これが奴等か」
「大天使ミハイル軍団か」
こう言い合いだ、彼等は蒼白になり心の底から怯えた。そしてその彼等を指揮している将校もだ。蒼白になりだ。
すぐにだ、兵士達に言った。
「軍団の者を呼べ」
「大天使のですね」
「そうだ、ことの次第を聞く」
何とか己を保ちながらの言葉だった。
「直接な」
「それでは」
「若し事実を言わないならだ」
その時はというのだ。
「私の権限で拷問も処刑もだ」
「行われますか」
「これはあまりにも酷い」
親衛隊の将校の言葉だ、この言葉も。
「見過ごせぬ、だからな」
「すぐに呼びます」
兵士達はナチスの敬礼で応えてだ、すぐに軍団員を連れて来た。そして彼への尋問をはじめたが団員は淡々と答えた。
拷問や処刑の必要もなかった、だが。
彼の話を聴き終えてからだ、将校は共に尋問を担当した兵士達にだ、沈痛な面持ちで問うた。
「どう思うか」
「あの、幾ら何でもです」
「無法に過ぎます」
「そして残虐に過ぎます」
「幾ら何でもあそこまでは」
「するものではありません」
「私もそう思う」
これが将校の兵士達の返答に対する言葉だった。
「あの連中は何なのだ」
「信じられません、子供を含めて二百人をです」
「家から引きずり出し屠殺場に送りです」
「裸にしてベルトコンベアの上で四つん這いにさせ」
兵士達も吐き気と必死に闘いながら話していく、話さなければとてもだ。今聞いた話で気が狂いそうになり言葉として吐き出して捨てなければとても耐えられなかったからだ。
「そして彼等が恐怖
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