04 追放―たびのはじまり―
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!これはお前らに殺された母さんの形見だ!」
「何を言うか!お前の母は……」
そういいかけた時だった。
倒れていたそれは起き上がり敵を捕まえる。
“逃げな……さい……ジー二アス、ロイド、風……”
緑色の異形になってしまった彼女の声が響き渡る。
「な、何、今の声……。ま……まさかマーブルさん……?」
ジー二アスが震えた声で言う。
「……そんな馬鹿な!」
ロイドが愕然とした顔をする。
「事実だ……」
あれは間違いなくマーブルだ。
「風!」
ロイドの表情は絶望したものに変わってゆく。
“ウ……ウゥ……グウゥ……離れて……早く……っ!”
彼女の苦しそうな声。
“ジー二アス……。新しい孫ができたみたいで嬉しかったわ。さようなら……”
そう言って、彼女、マーブルは自爆した。
彼女に埋め込まれていたエクスフィアが転がってジー二アスの所に来る。
ジー二アスはがくっと力が抜けたように膝が折れてしゃがみこみエクスフィアを拾う。
「……ロイドよ。その左腕のエクスフィアがある限りお前は我々に狙われる……覚えて置け!」
しぶとく生き残っていた敵はそう言った後、逃げていく。
ジー二アスは両手でエクスフィアを持って泣きながら叫ぶ。
「マ、マーブルさん……!マーブルさんっ!!うわぁぁぁぁぁ!」
俺は呆然とジー二アスの声を聞きながらマーブルが自爆した場所に歩いていく。
そして自爆した場所に立ち止まる。
「……もし」
勝手に口が動く。
小さく呟くような声が出る。
「……あの子等が危機に陥った時」
頭が真っ白で何も考えられない。
「……助けられる力があるなら」
自分が何を話しているか分からない。
「……お前は助けるか?」
少しした後に答えは返ってくる。
『ええ、私にあの子達を助ける力があるのなら……どうか、私の――を使ってください』
声の主は自分がそう答えたら何が起きるか分かっているようだ。
俺は手のひらを上に向けて出す。
黒い光が集まってくる。きらきらと輝く暖かな黒の光は手の上であるものになる。
「……お前の想い確かに受け取った」
形を成したそれを握る。
それは、想いと同じように優しい暖かさを残していた。
俺は我に返り村の門に寄りかかる。
そしてジー二アスがようやく落ち着くと、村の人達はロイドを責めた。
ロイドはそれで許されるとは思ってないけど謝る。
村長はロイドにお前がいる限り村に平和はないと言う。
そこでジー二アスがロイドの前に出て庇う。
ロイドは悪くないと、マーブルさんを助けようとしただけだと。
村長は牧場に関わる事じたい禁忌
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