罪と咎人
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「命を喰らう化物が!!」
斧を振りかざし大男は叫ぶ。
俺は斧を剣で防ぎ弾く。
「死ね死ね死ね死ね死ね」
更に力を込め斧は重い。
だが防がれている剣は動かない。
「俺はその程度では殺せない」
レベルが違い過ぎる。
俺に斧を振りかざしている大男の装備から見てレベルは相当な物だろう。
でも俺と力勝負出来るレベルには到達していない。
「諦めろ」
俺は剣に少し力を込め斧を折る。
斧が折れた反動で力を込めていた大男は大勢を崩し地面に倒れ込む。
「お、お前を、殺す!」
大男は勢いよく立ち上がり拳で俺に殴りかかろうとする。
流石に往生際が悪い。
俺は殴りかかろうとする拳を剣で貫き切り落とす。
「う、腕が!?」
「いい加減諦めろ。
レベルが違い過ぎて話にならない」
剣を鞘に戻しヒールポーションを取り出し大男に差し出す。
「ほら使え」
「な、な、なんのつもりだ?」
警戒している。
無理もない剣で腕を切り落とした後に回復アイテムを差し出す。
ライバル同士の戦いなら有り得る光景だがライバルでもなんでもない。
「使うの?
使わないの?」
俺は大男に二択の選択肢を与えた。
使うを選べば俺は回復アイテムを差し出しこの場を去る。
使わないを選べば無言でこの場を去る。
さて、この大男はどちらを選ぶのか?
「、、、、、、、、、、、、」
無言で回復アイテムを見詰めている。
使うのか使わないのか?
選択肢が微妙だっただろうか?
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
大男は無言で手を伸ばし回復アイテムを受け取る。
どうやら使うを選んだようだ。
大男はヒールポーションを使いHPが少しずつ回復していく。
「なんで、助けた?」
「助けた?
違うな、俺はアンタに回復アイテムを渡しただけだ」
「俺はお前を殺そうとしたんだぞ?
逆に俺がお前に殺されても文句は言えない状況だった」
大男が俺を見る目は怯えていた。
圧倒的にレベルの違う相手に喧嘩を売り負けた。
普通、喧嘩に負ければ殺される。
筈なのに殺し合いの相手は止めを刺ささず逆に回復アイテムを差し出した。
予想外な行動だろうが俺にとっては普通だ。
「アンタを殺したら俺に得が有るのか?」
返答が返ってこない。
答えが頭の中から出てこないのだろう。
なら一言言わせてもらう。
「俺は全プレイヤーに殺される権利が有る。
だから俺は誰に殺されても文句は言わない」
言えないの間違いだが
「でも、俺はアンタを殺す権利は持っていない」
俺の罪が1000人以上の人間を現実世界から永久退場させた。
罪を持たない人間が俺の罪の代償に死んで行っ
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