第一部 学園都市篇
第2章 幻想御手事件
24.July・Afternoon:『Predator』T
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今のところはこれしかない。空間を司る『ヨグ=ソトース』ならば、見えなくても存在しているものは捉える筈と踏んで。
「────其処ッ!」
『Gyaaaaaaaaa!?!』
そしてそれは、効を奏した。繰り出した一閃には、確かな手応え。グシャリ、と。『斬った』と言うよりは『噛み砕いた』ような手応えだったが。
続く断末魔、しかしそれで終わりではない。まだ、あと二匹!
「ちょ、あの、先輩!? 一体何がどうなっ──」
「説明は終わってからしてやる! 後ろから来てる、二秒後俺の側に跳べ、黒子!」
「っ〜〜〜〜〜〜ああ、もうっ!」
名指しでの命令に、怒濤の勢いの情報処理が追い付かなくなっていた彼女は一瞬身を竦めた。
だが結局、今は従うしかないと即決したらしく、きっかり二秒後に背後に転移する────のと全く同じに、その空間に偃月刀が突き出された。
「二匹目!」
黒子の背に取り付こうとしていた、見えざる伴侶を狙って。またも、『突き刺した』と言うよりは『食い破った』感触。余りの違和感に、つい手元を見てしまう。
そして、後悔した。見えない血肉を啜り、歓喜に蠢く玉虫色の悪夢めいた色彩をまともに目にして。
「チッ……しまった!」
正気を削られ、反動と相俟って意識が霞む。その一瞬の隙に、背中に取り付く事を許してしまった。
藻掻けど、万力じみた力は引き剥がせない。おまけに偃月刀を封じる為か、腕を搦め捕る触手も感じられる。
『クク……良い気味だな、コウジよ。この“妖蛆の秘密”の──魔導書の不興を買った者の末路は、破滅のみだ!』
耳元に、哄笑が響く。蠅の羽音のような、蛆蟲ののたくるような耳障りな声。いや、怨念か。
耳ではなく心で聞く分、よっぽど寒気がする。並みの人間ならば、既に正気に耐えきれまい。既に、瘴気に堪えきれまい。
無抵抗の首筋、今しそこに、化生の牙が突き立つ──!
『──────Gyaaaaaaaaa?!』
迸ったのは、怪物の悲鳴。その、見えない体に突き立った────否、『転移』した五本の金属矢。黒子が、太股に常備している『風紀委員としての武器』だ。
「こうなったら、わたくしも女ですの────腹を決めて、いきますわ!」
恐らくは予測で転移させたのであろうが、全弾命中させている辺り流石としか言いようがない。
空間自体を転移する金属矢、だからこそ本来、大型の銃器でもなければ貫通し得ない怪物の護謨じみた表皮を『押し退けて』現れている。
「ハハッ────流石だな! それでこそ、御坂美琴の妹分か!」
無論、その隙は逃さない。目の前に現れた黒子により嚆矢は『星の吸血鬼』の拘束
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