No12 稲妻
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「ピカァーー!!」ビリビリ
「おやおや……」
俺が繰り出したのは、そう、ピカチュウ。
一番長く旅をし、一番強く育った仲間だ。
「ピカチュウ……ですか……」
「(ひこうにでんきは抜群……さて、どうしましょうか)」
俺にとっては苦肉の策……! なぜならここでピカチュウは、瀕死になることを前提に出しているからだ……。
ピカチュウはぼうぎょもとくぼうも、体力も、というよりすばやさを除くステータスが全体的に見て極めて低い。フリーザーのふぶきなんてくらっちまったら、恐らく一撃で瀕死だろう。
だが、すばやさだけは全ポケモンで比較してもかなりの上位だ。すばやさがフリーザーを凌駕していれば、奴のふぶきを喰らうまえに、一撃与えられるはず……!
「ピカ!?」ガクガク
ピカチュウは驚いて足がすくんでいる。目の前にいるのは伝説……普通のポケモンならにらみつけられたりされたらすぐに逃げ出してしまうだろう。
「ピカチュウ、落ち着くんだ、辛い修業をしただろう? 勝てるさ、お前なら」
「ピカチュ……!」
うん、それでこそピカチュウだ。正直、勝てるかは分からない。ピカチュウを酷い目に遭わせてしまうかもしれない。
でも、あの5年で身につけた力は、裏切らない。信じるんだ、ピカチュウを、仲間を、相棒を、そして俺自身を……!
「フウ〜」パン
一息つき、頬をパンと叩く、さあ、こっからが本番!
「攻めないのなら、こちらからいきますよ、フリーザー、ふぶきです」
「………ピカチュウ」
アポロが命令を出すと同時、俺もピカチュウに命令を出す。
……このわざは、本来の育て方なら、ピカチュウには到底覚えられないわざ……。
でんきタイプ最強の攻撃力を誇るこのわざは、俺とピカチュウの絆の力により産み出されたんだ。
くらいやがれフリーザー、そしてアポロ、目に焼き付けろ!
これが………
「ボルテッカーだ!!!」
「ピィカァァヂュゥゥゥゥ!!!」
稲妻が起きるような激しい音と共に、ピカチュウのボルテッカーが発動した。
音速の如き速さでピカチュウは突撃していく。その姿、まさに雷!
瞬きすら許されないほどの速さだったが、実際に瞬きすらする暇なく、ピカチュウのボルテッカーはフリーザーに直撃した。
「ギャオォオオオーー……!!」
「ビィィーーカアーー!!」
爆発音と、二匹の鳴き声が、このシオンタワーの頂上に響き渡る。
「ピカチュウ!」
「フリーザー!」
俺たちはそれぞれの安否を確認する。攻撃を仕掛けたのはピカチュウとはいえ、ボルテッカーの反動は恐ろしい。
俺もアポロも、アポロの取り巻きたちも目を瞑りだす。先ほどの爆発により砂煙が舞い上がったのだ。
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