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蜀碧
第五章
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んから」
「そうだな、私も同じだ」
「では当時の四川の人達も」
「そんな人間の傍に誰がいる」
「何時自分を殺すかわからない者の傍に」
「誰もいない、すぐに皆逃げ出す」
 そうなるというのだ。
「四川の人達も大人しく殺されるか」
「そんな筈がありませんね」
「抵抗して叛乱を起こすかだ」
「逃げるかですね」
「どちらにしても話を見て聞けばな」
 張のその殺戮をだ。
「そうするな、誰でも」
「そうしない筈がありませんね」
「誰もついて来ない」
 無闇に人を殺す者にはだ。
「誰もが命は欲しいからな」
「そういうことですね」
「そうした者が率いる軍からは逃げる」
 このことも誰もがというのだ。
「そういうものだ」
「では張献忠については」
「確かに残虐な人物だったのだろう」
 魯迅はそのことは間違いないとした。
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