-おまけ-「他人に頼らず自分でやれ」
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いえば素直、悪く言えば欲望を剥き出しにした返答である。
どっちとも取れるその態度に、銀時は溜息をついた。
「また今度な、今度」
妹をたしなめてから、銀時は再度スプーンにおかゆを盛る。
「さっさと食べろ。冷めちまうだろーが」
双葉の口元におかゆが盛られたスプーンが差し出される。
おかゆの好き嫌いは関係ない。ただ今は食べづらいだけ。
でもそれは食べない理由にはならい。せっかく兄が作ってくれたこのおかゆを。
双葉は唇をスプーンに近づけ――
「……れる……」
「あ?」
双葉は急に動きを止めて何か呟いた。
よく聞こえなくて銀時は耳を傾けるが――
「ひとりで食べれるわァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
“ボカッ”
「あああああああああああああああああああああああああああああっ!」
頬が紅潮した双葉にブッ飛ばされ、壁に激突した銀時はそのまま気絶した。
荒い息を吐きながら双葉は呼吸を整え、別の意味でバクバクした心臓もすぐ平常まで戻す。
「全く、私をなんだと思っている」
そのまま寝ようと布団にくるまる。
だが、ふいにお茶碗が目に入った。奇跡的に無事だったらしく、中身はこぼれていない。
落ちていたスプーンでおかゆを口の中に入れる。
二、三口食べた後、双葉はポツリと呟いた。
「おいしい」
しばらくして。
双葉が眠りにつく頃、お茶碗は空っぽになっていた。
=終=
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