第3話「夜の山道は危険」
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囲まれた。
「おいおい、誕生日パーチィでもやんの?」
銀時は気の抜けた事を言いながらも、その人数を気配と殺気で確認する。
人数こそは多いが、力そのものは敵ではなさそうだ。
だが暗さの問題もあるし、近辺の地形も把握し切れていない。そうなると油断はできない。
「アイツの言った通りだ。銀髪の侍が現れたぞ」
詮索する銀時をよそに、他の天人が彼を指差して嬉しそうに笑い上げる。
天人たちが身につけている防具に刻まれたマークを見て、新八は驚愕した。
「な、なんで春雨が!?」
「交換だよ。銀髪の侍の首取るために、アイツにあんたらをここまで誘いこんでもらったのさ」
「丁寧な説明ご苦労さん」
「いらない説明細かくして、その後すぐ倒されるしょぼいザコキャラネ」
「うるせぇ!……銀髪の侍よォ、アンタはのんびりしてる暇はねぇはずだじぇ」
ニタニタと笑みを浮かべながら、リーダー格の天人は銀時を見下ろした。
「あ〜?俺はテメェらみてーな外道にやられるタマじゃねェよ」
「お前馬鹿だな〜」
天人は銀時を嘲笑って話を続けた。
「言っただろ、『交換』だってな。アンタの首をオレらがもらう代わりに、銀髪の嬢ちゃんを戻させるって鬼兵隊の頭(かしら)と取引したんだよッ」
その一言で銀時は妹の危機を悟った。
心が激しく揺れ、木刀を構える余裕がなくなってしまう。
「それってまさか……」
「つーわけでアンタの首もらっちゃうよォ!」
新八が言い当てるより先に、春雨たちは一斉に攻撃を仕掛けた。
しかし銀時は動揺で反撃の出だしが遅れてしまい、十分な受け身もできなかった。
――やべっ!
だが目前に迫った攻撃は神楽の傘で阻止され、天人たちは跳ね飛ばされた。
「銀ちゃん。定春と一緒に万事屋に帰るアル」
「何言って……」
「わたし、あの女嫌いヨ。いっつもピザ食べてて酢昆布見下してムカつくネ」
絶え間なく続く攻撃を神楽は軽々と払いのけて告げた。
「だから酢昆布の良さとことん教えてやるまで絶対許さないアル」
「ここは僕らに任せてください。これくらいの人数なら大丈夫です」
「お前ら……」
「定春!銀ちゃんの言う事ちゃんと聞くアルヨ!」
ワンと吠え、定春は銀時を背に乗せ走り出す。
「逃すかっ!」
追いかけようとする春雨たちの前に新八と神楽が立ち塞がった。
「これ以上先には行かせません」
「お前らの相手はこのかぶき町の女王・神楽様アル!」
新八は自前の木刀を、神楽は傘を構えて敵を迎え撃つ。
そして銀時は行く手を阻む敵を木刀で蹴散らして、道を切り開いていく。
「どけぇ!どきやがれェェェェェェェ!!」
銀時を乗せた定春は、猛スピードで山道を走り抜けて行った。
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