群雄割拠の章
第2話 「だから対価を……払わなければならないの」
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る、生きとし生けるもの全て……殺せばいいわ」
「か、かり、華琳……さ、ま」
ふふふ……そう。
私から父を奪った報いを――対価を――払ってもらわねばならないわ。
「男も……女も……子も……赤子も……犬猫にいたるまですべて……」
我が父の墓前に添えるのよ――
私は、そう言って笑う。
そう……私は覇王。
覇王は……
泣かず――
媚びず――
顧みず――
ただ、ただ……笑うモノ、よ――
―― other side ――
これより一月後、大陸で血の雨が降る。
徐州へと怒涛のごとく攻め寄せた曹操軍は、道中にある街、邑を問わず、全ての民家を破壊し、大量虐殺を行った。
その際に死んだ徐州の民の数は、数万とも数十万とも言われ、泗水の流れが堰き止められるほどであった。
その様子を眺め見た曹操は……周囲を戦慄させる程に凄惨な笑みを浮かべていたと、後世にまで伝えられている。
こうして豊かな土地であり、戦乱の避難民で人や物が溢れていた徐州は、壊滅的な打撃を受け……しばらく人の寄り付かない荒れ果てた土地となる。
これに激怒した陶謙は、すぐさま曹操軍と激突する。
しかし、復讐を掲げる曹操軍の戦意は高く、陶謙は敗走に敗走を重ねることになる。
中でも常に先陣を駆ける夏侯惇の勢いは凄まじく、立ちふさがるものは全てなぎ倒すという鬼神ぶりであったという。
陶謙は領内の十数城を奪われ、傅陽戦を始め、取慮・雎陵・夏丘の各地で敗退し、徐州の本拠であった?の地でようやく侵攻を押し留めることができた。
だがそれは、曹操軍側の昨年のじゃがいもの不作による兵糧不足による所が大きく、曹操軍としても無念の撤退という形で兵を引くことになる。
ひとまずは九死に一生を得た陶謙であったが、すぐさま曹操が洛陽にてその権限を最大に奮い、兵糧を集め始めた事を知る。
このことに危機感を覚えた陶謙は、かねてより連絡をとっていた袁術に打診。
そして袁術、陶謙は連名により、一人の太守の元へ救援の書状を出すのである。
そう――宛先は、公孫賛伯珪。
天の御遣いが匿われている、平原に向けて――
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