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Fate/EXTRA〜もう一人のアーサー王〜
全ての予兆
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はあるが後に続いて走った。相手のエネミーも俺たちに気付いたらしく、臨戦態勢に入る。セイバーは走りながら剣を構え、そして勢いよく飛ぶ。

すぐ下にいるエネミーに狙いを定め、セイバーは剣を振り下ろす。エネミーは避ける暇もなく真っ二つになり、砂糖菓子のように砕け散った。

セイバーは着地すると、剣を払った。後で追いついた俺は意図も簡単に終わった戦闘に驚きを隠せなかった。本当にエネミーは強かったのか?と錯覚するぐらいにセイバーは圧倒的に強かった。

「凄いなセイバー。これなら余裕なんじゃないか!?」

「気を抜くな。エネミーはまだいる」

セイバーがそう言うと、剣を再び構えた。

「どうするマスター。ここで引き返しても良いぞ?」

ここで引き返しては男ではない。いずれはここのアリーナを攻略しなくてはならないのだ。一々立ち止まっちゃいられない。

「いいや、行けるとこまで行こう!」

俺は呼吸を整え、いつでも走れる状態にしておく。

「良い心掛けだ。置いてかれるなよ!」

その声を合図にセイバーと俺は奥の道へと走って行った。




ーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は疲労で使え物にならなくなった足を引きずりながら部屋に無事帰還した。結局あの後、セイバーはエネミーを狩る事に夢中になり過ぎ、俺の晩飯を食う時間まで消費した。そして現在時間は夜の九時。全身鉛と化した俺の肉体はそろそろ限界を迎えようとしていた。


なんとか部屋に入ると、俺は吸い込まれるようにベッドへとダイブした。ふかふかのベッドの感触が気持ち良い。空腹さえも忘れて、このまま眠りの中へと落ちていきたい。

がしかし、

「風呂も入らず何を寝てるんだマスター。このまま寝るのは許さんぞ!」

セイバーはそう言いながら、俺の襟を掴み上げるとベッドから引きずり下ろし風呂場へと連れて行こうとする。

「いででで!何すんだよセイバー!俺はもうヘトヘト死にそうなんだよ!眠らせてくれよ!」

「何が死にそうだ!お前、ずっとオレの戦いを見物していただけだろう!」

勘弁してくれよ…そう思いながら必死に抵抗するが、女の子と言えど相手はサーヴァントだ。力の差は歴然。俺は無理矢理散歩に連れてかれる犬のような状態で風呂場に連れてかれた。

風呂場に着くと、セイバーはどっから取り出したのかタオルを俺の顔面に投げて渡してきた。しかし、キャッチする気力もない俺は顔面でそれを受け止めるしか方法はなかった。

ボフッ、軽い音が鳴りながら俺の顔の上にタオルが乗る。渋々タオルを顔からどけ、諦めて風呂に入るしかないかと決断した時だった。目の前に起きている事実に衝撃を受けた。

「おいおいおい!何してんのセイバー!?」



「何をするも何も
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