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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九五幕 「必然たりえぬ偶然は」
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衛隊は、実弾訓練の度に事前準備と事後処理が大変なのだ。ISと言う特殊な兵器であるがゆえに融通は利くが、ISの射撃武装はどれもこれも航空兵器並みの火力なためしょっちゅう火器をぶっ放すわけにもいかない。下手をすれば地形が変わるし、IS学園と違って弾薬の代金は国の負担なのだ。

そのレベルの装備も、現場の状況によっては使用もやむなしだと命令が下った。つまり、周囲の被害を無視してでも任務を遂行しろという事だ。御上の判断にしては大胆すぎる。

「委員会から直接圧力でもかかったんじゃねーですか?」と清浦三尉。「なにせ世界で3人しかいない男性IS操縦者ですからねー?機動のメカニズムが分からないうちは死なせるわけにもいかんでしょうし、メンツってもんがあるよ」
「にしても、嫌に潔い。確かに失態は失態でありますが、学園侵入事件は日本政府とは関連性がないでありましょう?」
「そうはいかんのさ」

黒田二尉が口を開いた。あさがお部隊では隊長の祇園寺より年長者だ。

「アンノウンが出現した施設はどちらも日本国内にあった。つまり、国外からちょっかいをかけるなら日本の防衛網に引っかからないのは大問題。そして国内なら獅子身中の虫でさらに大問題だ。このままだと委員会で責任を追及されかねないか・・・是が非でも解決したいだろうよ、御上は」

さも可笑しそうにくっくっと喉で笑う黒田二尉。どうも政治家の家系の出らしく、家族仲が極端に悪いそうだ。そのため自分の母親が困るであろうことに対してはいつもこの調子だ。が、政の家の出なだけあって指摘は的を射ていた。

「それに・・・自衛隊にIS隊が存在できるのも『有事の際に国益を守る』という役割を果たせてこそだ。ここで成果を出せなければ、将来的にはあさがお部隊は不要とされての4つのコアも研究目的で持っていかれるだろうな」
「ひー!?折角正規のIS乗りになったのにソレは勘弁してほしーですよ!?」
「自分の居場所はあさがお部隊であります!離れたくはないであります!」

清浦三尉と加藤三尉の慌てぶりに、黒田二尉は腹を抱えて笑いをこらえた。そこに至って2人は、自分たちがからかわれた事に気がついたらしい。2人の顔が真っ赤になる。祇園寺も不覚ながら、そんな未熟な部下を愛らしいと思った。




「事件が起きて我々がそれを解決できれば、あさがお部隊の存続意義も・・・と思ってしまう自分は、未熟ですか?」

不意に、加藤三尉がそう漏らす。昔は真面目が過ぎて清浦三尉と衝突を繰り返していた彼女だが、良くも悪くも感情豊かになったものだ。

「・・・自衛官にあるまじき心構えだ」
「申し訳ありません」
「そんな未熟者を部隊の外に出すわけにはいかんな・・・ふふっ」
「隊長がジョークなんて珍しーですね」

そんな彼女のちょっとした
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