志乃「私としては――」
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飯食ってんだよ。母さんに失礼だろうが。
「で、志乃はどうしたんだ。疲れには見えないんだが」
「節穴なんじゃないの?」
「一理あるな」
この父は、ノリが良くてバカだ。
三秒ぐらいで終了した俺達の会話に、台所から母さんの溜息が聞こえてきた。いや、あんたも普段は十分変わってる人だからね?この家族に常識人なんて、俺ぐらいのものだろう。
それからしばらくして、志乃が風呂から出てきた。その時も志乃の顔はどこか切羽詰まった感じで、目がうろうろしていた。全ての塊であるパソコンの行方が気になって仕方ないんだろう。
俺はそれを察知して、志乃に声を掛けておいた。
「上にある機材、まだ見るなよ。俺が風呂から出て飯食った後だぞ」
「分かってる」
俺とは目を合わせなかったが、俺はそれを信じた。正直に言えば不安満載なんだけど、俺がいきなり風呂場から出て様子を確認するわけにもいかない。
不安が抜けない嫌な感じを背負いながら、仕方なく風呂に入る事にした。風呂は、俺の一日の中でも一番落ち着くであろう時間なのだが、今はそれを十分に満喫する事は出来なさそうだ。
*****
……とか言っておきながら、やっぱり風呂は風呂だった。剣道をやっていた時もそうだったが、どれだけ苛立ちが募っていようが、風呂に入ると少しでも必ず和らぐのだ。それを意識している事こそが要因なのかもしれないけど、そこまでは考えない。とにかく、気分が良くなるのだ。
ジャージの袖に手を通し服を着る。髪はタオルでちゃちゃっと拭いただけだ。ぶっちゃけた話をすると、明日も休みなので髪の毛なんざどうだっていいのだ。スーパーサ●ヤ人ヘアに変身しようが気にしない。
リビングに戻ると、志乃は俺の席の隣にちょこんと座っていた。そして、バラエティー番組をじっと見ていた。のだが、俺にはそれが感情を抑えるためにやっているのだと思えた。
「志乃、飯は?」
「食べた」
「そっか」
どうやら完全に俺待ちのようだ。あまり待たせすぎるのも悪い気がしたので、俺は夜飯の準備をしてから、すぐに夜飯を頂いた。その際、父さんに、ただの無駄話という事でカップヌードルを食っていた理由について聞いてみたら、父さんは少し照れた顔で、
「母さん怒らせちゃった」
と、母さんのいる前で呟いた。
それを聞いた母さんは不満そうな顔で俺に文句を言ってくる。
「あの人ったらね、『お前、ちょっと胸萎んだんじゃね?』なんていうセクハラ発言してきたのよ?いくら妻に対してでも、それは女として許せないの!だから今日の夜ご飯抜きにして、カップヌードル食べさせたの」
そういう話を息子にするのもどうかと思うぞ。つか、あんたらホント
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