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不思議な縁
第六章
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体は互いの当たり障りのない紹介と後はジュースとビールを飲みながら、カラオケしながらのパーティーとなった。
「じゃあ次私ね」
「モーニング娘。だよな」
 先輩達でもう盛り上がっていた。二人は主役である筈なのにどうにも大人しい。それにこんなところで再会するとは思わなかったので何を話していいかわからなかった。それでもちょこちょこと話をしていた。
「猫、好きなのよね」
「うん」
 達之は桃子の言葉に頷く。
「だからね。あの時」
「そうなんだ」
「黒猫も。好きだから」
 達之は小さな声で言った。
「本当!?」
 桃子はそれを聞いて嬉しそうな顔になった。
「そう言って貰えると」
「そうなの」
「ええ。だって黒猫嫌いな人多いから」
 不吉だというのである。なお大阪では黒猫はお客さんを呼ぶとして人気がある。こうしたことは地域差があって一概には言えないものがある。
「モモって可愛いでしょ」
「うん」
 桃子の言葉に頷く。彼女の問いは賛成を求めているものであったが彼はそれには賛成であった。
「黒猫嫌いなんて信じられないわ」
 口を尖らせて言った。
「あんなに可愛いのに」
「黒猫だって可愛いよね」
「そうそう」
「おい、次御前等が歌えよ」
 しかしここで河村さんと久美が二人にマイクを渡してきた。
「俺達ですか」
「ああ。何かデュエットでもよ」
 河村さん達はあえて二人に気を使ってきたのである。
「何かあるだろ」
「っていっても」
「ええと」
 二人はあまりデュエットを歌ったことはなかった。それを振られて少し困ってしまった。
「何がいいですかね」
「俺に言われてもわからねえよ」
「二人で選びなさいよ」
 そう仕向けるのが二人の狙いであった。達之も桃子もそれに乗ってしまった。
「それじゃあ」
「何がいいかしら」
 二人はそれを受けてナンバーを見て探しはじまた。それこそが河村さん達の狙いであった。
 ナンバーが書かれたカタログを見ながら探す。そして一つ見つけた。
「これなんかどうかな」
「それがいいわよね」
「何選んだんだよ」
 河村さんが二人に尋ねてきた。久美もその横でにこにこしている。


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