マクロスF
0719話
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スタッフの1人を片手で掴み、見せつけるようにして俺の方へと差し出しているテムジンだ。
さて、どうするか。このままテムジンを含む反乱を起こした奴等をどうにか出来るかどうかと言われれば、実は可能なんだよな。ただし、それは俺が乗っているVF-25Sだけじゃなく、混沌精霊としての力を最大限発揮すればという条件がつくが。
そんな真似をこんな場所で明らかにする訳にもいかないし、何よりも危険人物だと思われるグレイスの前で俺の力を見せつけるような真似は出来ないし、したくない。
それに人質を見捨てることになるというのも後味が悪い。シェリル1人くらいなら何とか守る事は可能だろうが、他のスタッフは見捨てざるを得ない。更にそのシェリルも体調を崩しているとなるとな。
数秒で考えを纏め、少なくても今は向こうに従っておいた方が得策だと判断して、コックピットを開けて両手を上に向けた、いわゆるホールドアップの姿勢で降伏する。
「よしよし、そうやって俺の命令に大人しく従っていればそうそう悪い目に遭わせたりはしねえから安心しな。おいっ、お前等! このマイクローン共を閉じ込めておけ!」
テムジンの命令に従い、ゼントラーディが近寄ってくる。
それを見ていたオゴダイも、これ以上ここで戦っても俺達に被害が出るだけだと判断したのか、一旦退いていく。
それを見ながら、俺はテムジン配下のゼントラーディの持っている銃口に促されるようにコックピットから下ろされ、その支配区域にあるビルの中へと押し込まれるのだった。
「……で、シェリルの様子は?」
「その、少し前から体調を崩してはいたんだけど……」
俺達が閉じ込められているホテルの部屋の中の一室。現在そこにはベッドで眠っているシェリル、そしてマネージャーでもあるグレイスと俺がいた。
そんな俺の問いに、グレイスが心配そうに尋ねてくる。
……この様子を見る限りだと、真剣にシェリルの心配をしているようにしか見えない。見えないんだが、今こうしている間にも念動力は目の前に立つこの女が危険だと盛んに俺へと訴えているのだ。
「病気って言ってもな。確かにフロンティア船団から出発する時に若干風邪気味だったが……」
「ええ。私も無理をする必要は無いと言ったんだけど、本人がどうしてもやるって。その、妙な噂もあって」
「妙な噂?」
グレイスの言葉に、首を傾げる。一応出発前にガリア4について調べてはみたが、特に妙に感じるような噂は見つからなかった。あるいは、部隊自体の問題行動が多くあったから、それが覆い隠していたのかもしれないが。
「その、このガリア4にギャラクシー船団の生き残りが隠れているって」
「……何?」
チラリ、と眠っているシェリルへと視線を向ける。
そこには、顔を赤く
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