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レインボークラウン
第百五十二話

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            第百五十二話  小田切君もちゃんと
 博士は毎食後しっかり歯を磨いている、その為口臭は全くしない。その博士に対して助手の小田切君はというと。
 タロとライゾウがだ、小田切君に言う。
「寝る前はだよね」
「絶対に歯磨きしてるよな」
「あと朝御飯の後も」
「しっかりとな」
「うん、一日二回ね」
 そうしているというのだ。
「やってるよ」
「そうだよね、しっかりとね」
「やってるよな」
「毎日お風呂も入ってて」
「身奇麗にしてるよな」
「博士程じゃないけれどね」
 それでもと返す小田切君だった。
「そうしてるよ」
「まあ普通だね」
「普通だよな」
 二匹はそんな小田切君をこう評した。
「それ位だとね」
「むしろ清潔な部類と言えるよ」
「毎日お風呂に入って一日二回歯を磨いて」
「洗濯も忘れないしな」
「お掃除もしてて」
「下着もちゃんと替えてるのもいいな」
「普通にしてるつもりだよ」
 小田切君は自分の基準から答えた。
「博士はまた極端にダンディズムにこだわってるけれど」
「博士はね」
「ちょっと特別だからな」
 二匹は博士についてはこう評するのだった。
「マッドサイエンティストだけはあって」
「ああして着飾ってるのがな」
「タキシードとマントもいつも綺麗にして」
「埃一つないだろ」
「あそこまでいくとね」
「殆ど海上自衛隊幹部候補生学校だぜ」
 おそらく世界一身だしなみに五月蝿い場所だ、アイロンの皺一つ制服の埃一つ許されない、靴の汚れも同様だ。
「そういう人と比べるのはね」
「またお門違いってものだよ」
「じゃあ僕は僕のままでいいかな」 
 あらためて言う小田切君だった。
「このレベルで」
「うん、いいと思うよ」
「おいら達はな」
 これが二匹の返答だった。
「というかマッドサイエンティストはね」
「また特別だろ」
 博士にしてもだというのだ、彼等は小田切君にこう言った。


第百五十二話   完


                              2014・7・18
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