16話 『覚醒する業火』
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闇から覗く、黒魔道士特有の黄色く丸い瞳をいつも以上に爛々とさせ、片手には大地の源のクリスタルと同じように光輝く欠片が握られている。
「これで、一つ目のクリスタルに輝きが戻ったんだね!」
「 ……ま、オメェにしちゃやるじゃねェか」
「 ────良くやった 」
3人から労われるビル。
「ハイっ! これできっと、大地も元通りに……!?」
突如、アースの洞窟内が揺れ動く。
「土のカオスの野郎は倒したってのに、今度はなンだッ?」
「ねぇ、段々揺れが激しくなってきてない……?!」
「大地の浄化には少し時間が掛かるみたいで、腐敗の進んだこの洞窟は一度崩れるそうでス!」
「え? ビル、どうしてそんな事……」
「欠片を通して、土のクリスタルさんが教えてくれまシた!」
「ほー? ンでオレらは出口まで戻る時間もナシに埋もれろってか?」
「大丈夫でスよ! 土のクリスタルさんが、ボクらを地上へ一気に送り出してくれるそうでスからっ!」
自信たっぷりにビルがそう云うと、4人の足元に光輝く魔方陣が現れ地上へと瞬間移動させる。
アースの洞窟内は地震により崩れ出すが、大地の源のクリスタルは土石に埋もれながらも絡まった木の根に守られ、黄金色の輝きは失う事なく腐敗した大地を甦らせてゆく。
────それと同じくして"彼の者"は、炎舞する業火の中目醒めた。
≪ ……土のカオスを倒し、妾の眠りを妨げるとは────まぁ良い、完全なる復活には至らぬとはいえ、いずれにせよ妾の業火で全て焼き尽くしてくれる≫
「あ、あれを見て! 東の方角が……!?」
シファは思わず声を上げ、アースの洞窟出入口付近の地上にワープした4人が目にした光景は、赤黒く染まった東の方角で遠方からも響き渡る轟音と共に火柱が上がっている。
「あの方角って、クレセントレイクの町がある付近でスよね……っ?!」
「どーなってやがンだッ?」
「 …………… 」
シファ、ビル、ランクが驚き見上げる間に次第に火柱は治まってゆくが、東の空は依然として赤黒く染まっている。
「あっちの方は山岳地帯で火山があンのも分かっけど、一つ目のクリスタルの輝き戻したからってそれに合わしたみてェに噴火しやがるモンなのか?」
「ぼっ、ボクのせいじゃありませんでスよ……!?」
「そんな事云ってないよビル。テューテさんや12賢者の人達は大丈夫かな………ねぇ、マゥスン?」
「 ────── 」
白銀の長髪流れる横顔は東の方角を冷然と見据えており、いつにも増して近寄り難い雰囲気だがシファは再び声を掛ける。
「どうか……、したの?」
「≪火のカオス≫が目醒めた」
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