第十九話 友人と仲間その十一
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「それで錬金術もですか」
「それもだよ、仙術とかに入っているんだ」
「仙人は錬金術師だったんですか?」
「その一面もあったよ」
中国のこの存在もだというのだ。
「中国では仙術を学ぶ方士、そして仙術が入っている道教の聖職者になる道士という人達がいるのだけれど」
方士は道士に入っている、方士は漢代や三国時代にいた。
「彼等が学んで研究していた不老長寿の術がね」
「錬金術ですか」
「そうなるんだ」
東西の文明の交流の一つである、これもまた。
「日本にも仙術は入っていたからね」
「それで錬金術も」
「入っていたよ」
そして学ばれていたというのだ。
「そうだったんだ」
「それじゃあ仙術も」
「学ぶとね」
それで、とだ。智和は菫に答えた。
「錬金術を知ることになるよ」
「そうですか」
「うん、そうなるよ」
「思わないことですね」
「面白いよね、けれど本当に君達を攻撃する怪人を作り出しているのはね」
その存在についてだ、智和はまた言うのだった。
「錬金術師かも知れないね」
「若しかしたら」
「そうかも知れないんですね」
「うん、そう思えてきたよ」
「実際にいれば」
薫も考える顔で述べる。
「それが一番可能性がありますね」
「そうだね」
「はい、錬金術師がですね」
「そうなるね、あと僕はオカルトは否定しないから」
即ち錬金術も、というのだ。
「人間の知っていることなんてね」
「ほんの少しですね」
裕香がその智和に言う。
「大海の中の匙一杯とか」
「そんなものでしかないよ」
「だからですね」
「目に見える、知っているものだけが全てではないよ」
「じゃあ本当に錬金術も」
「あっても不思議じゃないよ」
例を挙げると石等を金にする、人造生命を作るといったことがだ。実際に出来たとしてもだというのである。
「実際空想とか作り話が現実になって人類は発展してきたし」
「そういうものなんですね」
「霊魂とかそういう存在もだよ」
そちらの話もだ、智和はした。
「死後の世界でも何でもね」
「否定することはですね」
「そう、わかっていないことを何でも否定することはね」
そうしたことは、というのだ。
「それはよくないよ」
「じゃあ何でもプラズマと言うのは」
「ある教授さんだね」
「あの人みたいに言うことは」
「あの人はね」
智和はやれやれといった感じで尚且つそこに親しみさえ込めて裕香に話した。その笑顔には悪感情はなかった。
「ちょっと大人気ないね」
「いいお歳ですけれど」
「それでもね」
大人気ないというのだ。
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