アカデミー編
友達
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知らないっすけど、俺の父親に聞いた限り、180よりは上っぽいっす」
「凄い?」
「まぁ、凄いんじゃないんすかね」
調子狂うなぁ、と思いながらも頭をかいたシカマルに、カトナは少し意外そうに首を傾けた。
「ナルトの友達でいてくれるなら、なんでもいいよ」
・・
繰り広げられる試合に、日向ヒナタは息を呑みつつ、金色の少年を見つめた。
予行演習、どうせ、うちはが勝つ。体術だけだから、負ける。
試合が始まる前に確かに響いていたそんな声の持ち主は黙り込み、誰もが目の前の戦いに見ほれた。
忍術VS体術。
そんな言葉が似合うような、そんな試合が繰り広げられていた。
うちはサスケが忍術を使い、うずまきナルトが体術を使う。
どう考えても、圧倒的にうずまきナルトが不利なこの状況。両手が義手で体術しか使えない。体術も忍術も使えるサスケと比べれば、どう考えても不利だ。
なのに、一歩も物怖じしない。負けるなんて微塵も思っていない。何度吹き飛ばされようと、何度拳が防がられようと、彼の歩みは止まらない、彼の目は死なない、彼は、諦めない。
ヒナタは柔拳を使う。だからこそ、ナルトが今行っている体術が如何に洗練されていて、それ以上に、サスケの忍術を捌く体術が素晴らしい物であるのがわかる。
拳が、空を切る。
ナルトの体に、サスケの蹴りが叩き込まれ、忍術がもろにあたる。
直撃。
しかも、うちはサスケの得意技、豪火球の術である。直撃だったせいか、いくつかのやけどを負ったらしく、ナルトの口から小さな悲鳴が漏れる。
もう駄目だと、誰もがこの勝負に見切りをつけたなか、一番危機的な状況である、ナルトだけが、諦めていなかった。
誰だって諦めても仕方ないような状況なのに、なのに、彼は諦めない。
ヒナタが拳を握りしめ、小さく言葉を漏らす。
「ナルトくん、がんばって…」
小さなその声は、きっと元気な彼の耳には届かなかっただろうけれど。
にっ、と元気そうに彼は笑った。
次の瞬間、一気にその場を駆け抜けると、勢いよく、サスケの足に向けて。
ナルトの蹴りをサスケがかわして忍術を叩き込もうとするが、追撃が来る。
二合三合、四合。防がれて防がれて防がれ防がれて、それでも、諦めない。
何度も何度も何度も何度も、ナルトの拳がサスケに向かう。そしてついに、ナルトの拳がサスケの鳩尾に深く叩き込まれる。
一瞬の沈黙の後、サスケの体が少し沈み、審判がサスケに確認を取る。
「優勝者は、うずまきナルト!!」
優勝は、誰もが予想していなかった、うずまきナルトのものだった。
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