アカデミー編
友達
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「それ、形状が変化するから、柄のほうにつけた…ってとこっすね。大太刀の時に刀身に銘が打たれていないのは可笑しいし、逆に、短刀の時に刀身に銘を打たれてたら、おかしいからな」
「…流石、奈良。よくわかったね」
内心で舌を巻く。
柄にあった傷。刀身に銘が打たれていない。そして、カトナの使いかた。
その情報しかないのに、彼は見事に真実を言い当てた。
よくこれだけの情報で分かる物だと、思いながら、カトナは青い鞘にチャクラを込める。
するりと、刀身が一回りふたまわり小さくなり、大太刀は短刀になる。
見せられたそれに驚愕しながらも、平坦な顔を保ったままシカマルは、どうして今この光景が見せられているのかという事を、頭をフル回転して考える。
カトナは、みすみす自分の秘密を晒すような奴ではない。秘密を見せた分として(何もシカマルが見たがった訳ではないのだが)それなりの対価を要求してくるつもりだ。ならば、何を取引してくるか。
…シカマル自身の、カトナが晒した秘密と同じくらいの秘密だろうかと、そこらへんの見当をつけたシカマルが覚悟を決めた時、カトナはのんびりとした挙動で立ち上がる。
「奈良、なにしてくれる?」
「え、それ、俺に聞くんすか」
予想外だとでも言うように、カトナは目を見開くと、おろおろとした様子で辺りを見回す。
その様子に毒気を抜かれたシカマルは、はぁ、と内心で息をつく。
「先輩の好きにしてくれていいっすよ」
その言葉に、少しの間黙った後、カトナは困ったようにシカマルを見つめて質問する。
「今、ナルトの試合?」
「え、まぁ、そうっすけど」
「じゃ、一緒に行く」
「…それで、いいんすか?」
その言葉に、カトナは本当に不思議そうに首をかしげた。
「友達に、何かする必要、あるの?」
それはあまりに無防備で、馬鹿みたいに信じきっていて、疑うなんて微塵も考えていなくて。
「…サスケとナルトが心配する理由がわかるな」
「?」
カトナは、あまりにも優しい。
敵と認めたものには、何よりも厳しいのに。味方と認めたならば、無条件で許してしまう。…まだサスケ達しか知らない秘密だってある筈だ。
それでも、無条件に、友達からだと話してしまう。
カトナは覚悟を決めている。けれど、それに感情が付いて言っていない。ナルトの為に死ねても、ナルトを泣かすことには戸惑ってしまう、そんな弱くも脆い覚悟だ。
これは駄目だと思いながら、シカマルは線引きを間違えさせないようにと、カトナに向けて言葉を放つ。
「俺、すっげぇ、面倒くさがりなんスよ」
「うん」
「だから、テストも授業もぎりぎり不合格にならないくらいに調整してるんすよ」
「へぇ」
「…実際のIQとかは
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