新たなる力へ
Trick69_サンキュ、自分を見失いかけていた
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つけなくなっちゃうからね♪」
「追いつくって何をだ?」
「ひみつ♪」
美雪の人生最大の目標にしてなるべきもの、それは信乃の隣に立てる人間だ。
自分の想い人がすごいのは分かっている。その事実は嬉しいが、同時に距離を感じて
寂しく感じる事もある。
だから美雪はいつも頑張っている。信乃の隣に自信を持って立てるように。
「・・・・一番に成らなくてもいい。守るための最低限の力さえあれば十分だ。
分かっていた事だけど、他の誰かに言われるとやっぱり違うな」
ハハハ、と乾いた声で笑った。
その隣、というより頭の上にいる美雪はクスクスと明るく笑った。
「サンキュ、自分を見失いかけていた」
「どういたしまして♪ 何かあれば何時でも膝枕してあげるから♪」
「そっちに感謝しているわけじゃ・・・ってゴメン!! そのままだった!」
信乃の長話の間、ずっと膝枕をされている事に気付き、すぐに信乃は立ちあがった。
「膝、大丈夫か? 痺れていたりしていないか?」
「大丈夫だよ、このくらい♪ 一晩だって平気だよ♪ 実際に一晩中寝ていたから覚えているでしょ♪」
「それは小学生の時の話だろうが。しかも俺が寝ているのをいい事に勝手に膝枕しやがって。
ったく、お前には世話になってばっかりじゃねえか ////」
顔を若干赤くして信乃はそっぽを向いた。照れているようだと美雪は見抜いていたから笑っていた。
「俺、これから黒妻さんと宗像の所に行ってくる」
「・・・また訓練?」
先程まで美雪目線で死闘を繰り広げていた手前、素直に信乃の行動を許せない。
そんな気持ちが顔に出ていたのか、信乃は笑いながら返してくれた。
「大丈夫だよ。明日から学校だし、今日の小烏丸の訓練はそろそろ終わる。
俺もこれ以上は運動するつもりないから安心してくれ。じゃあな」
立ち去るときに美雪の頭を一撫でして去っていった。
そっか、一番にならなくてもいいんだ。
・・・少しだけ分かったよ、俺の道。美雪に教えてもらった、俺の道。
劣化コピー、否。“学んだ”技術を組み合わせた俺だけにしかできない道。
この道を、見失わなければ、作れるはずだ・・・いや、絶対に作る!
「作ってやるよ、碧空のレガリアを」
つづく
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