暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
新たなる力へ
Trick69_サンキュ、自分を見失いかけていた
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
つけなくなっちゃうからね♪」

「追いつくって何をだ?」

「ひみつ♪」

美雪の人生最大の目標にしてなるべきもの、それは信乃の隣に立てる人間だ。
自分の想い人がすごいのは分かっている。その事実は嬉しいが、同時に距離を感じて
寂しく感じる事もある。

だから美雪はいつも頑張っている。信乃の隣に自信を持って立てるように。

「・・・・一番に成らなくてもいい。守るための最低限の力さえあれば十分だ。

 分かっていた事だけど、他の誰かに言われるとやっぱり違うな」

ハハハ、と乾いた声で笑った。

その隣、というより頭の上にいる美雪はクスクスと明るく笑った。

「サンキュ、自分を見失いかけていた」

「どういたしまして♪ 何かあれば何時でも膝枕してあげるから♪」

「そっちに感謝しているわけじゃ・・・ってゴメン!! そのままだった!」

信乃の長話の間、ずっと膝枕をされている事に気付き、すぐに信乃は立ちあがった。

「膝、大丈夫か? 痺れていたりしていないか?」

「大丈夫だよ、このくらい♪ 一晩だって平気だよ♪ 実際に一晩中寝ていたから覚えているでしょ♪」

「それは小学生の時の話だろうが。しかも俺が寝ているのをいい事に勝手に膝枕しやがって。
 ったく、お前には世話になってばっかりじゃねえか ////」

顔を若干赤くして信乃はそっぽを向いた。照れているようだと美雪は見抜いていたから笑っていた。

「俺、これから黒妻さんと宗像の所に行ってくる」

「・・・また訓練?」

先程まで美雪目線で死闘を繰り広げていた手前、素直に信乃の行動を許せない。

そんな気持ちが顔に出ていたのか、信乃は笑いながら返してくれた。

「大丈夫だよ。明日から学校だし、今日の小烏丸の訓練はそろそろ終わる。
 俺もこれ以上は運動するつもりないから安心してくれ。じゃあな」

立ち去るときに美雪の頭を一撫でして去っていった。



そっか、一番にならなくてもいいんだ。

・・・少しだけ分かったよ、俺の道。美雪に教えてもらった、俺の道。

劣化コピー、否。“学んだ”技術を組み合わせた俺だけにしかできない道。

この道を、見失わなければ、作れるはずだ・・・いや、絶対に作る!

「作ってやるよ、碧空のレガリアを」



つづく

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ