暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode29:九校戦、開幕
[8/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の呪符を利用して『独立した非物質存在』通称『精霊』と分類されるプシオンを支配下におく
3、『精霊(プシオン)』を使ってイデアにあるエイドスを書き換え、魔法を発動する

現代魔法は、この内の二構成を不要としている為、速度的には古式魔法を圧倒しているのだ。それに対して古式魔法はプシオンで構成された精霊を使って間接的にエイドスを改変するため、現代魔法よりも他からの対抗を受けにくく、また強力な魔法を扱うことができる。

故に、後遺症がなく、今よりもスムーズに魔法を扱えていた頃の幹比古は自然現象を無制限に発生させることのできる隼人と魔法の撃ち合いにおいて互角くらいには渡り合えるほどだった。

だからこそ、幹比古はいまの現状に苛立っている。彼が、この九校の代表が集う場所にやってきたのは十中八九、彼の父親の指示だろう。
本来の幹比古の力ならば、九校戦の舞台に代表選手に選ばれるのは確実。本来お前がいたはずの場所を見てこいと、そう考えたに違いないが。

(発破をかけようとしたのかもしれないけど、それは悪手だ…)

眼下では、拳銃を達也によって分解された三人の賊が、幹比古の放った雷の魔法に撃ち抜かれていた。

(よっしーは結果を欲して焦ってる。そんな中、自分の無力さを痛感するようなこの場所だ。余計に焦るんじゃないか?……いや)

もしかしたら、彼ならばと思い、隼人は眼下で幹比古と話している青年を見た。

(司波、いや…()()達也。そして、トーラス・シルバー…彼なら、幹比古を救ってあげられるかもしれない)

自分ではダメだと理解している。幹比古よりも隼人が強いのは周知の事実。そんな自分に、なにができるのだろうか。同情?慰め? 駄目だ。どれも、彼を傷つけることになってしまう。

(だから、俺は見守ることにするよ。頑張れ、幹比古)

幹比古の怒声が下から聞こえてきた。だが隼人は、それを聞かなかったことにして、その場から離れた。



☆★☆★



草木も眠る丑三つ時、とはいえ夜更かししている高校生ならばまだまだ起きていられる時間。穏やかな風が吹く林の中で、二人の魔法師が睨み合っていた。
色素が抜け落ちた真っ白な髪と、光を宿さぬ漆黒の瞳。
蒼くたなびく長髪と、強い意思を宿した紅蓮の瞳。

逆手に握った短刀。
順手に握った長刀。

振り撒くような殺気。
鋭く束ねられた殺気。

『紫』と『蒼』が、互いに殺意を向けて睨み合っていた。

「まさか、アンタが高校生の真似事をしてるなんて…意外ね」

先に沈黙を破ったのは蒼だった。挑発するような物言いに、紫は肩を竦める。

「あの方の、命令だからな。仕方、あるまい」

蒼が浮かべる表情を険しいものへと変えた。紫を睨む瞳に、更なる光が灯
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ