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魔法科高校の神童生
Episode29:九校戦、開幕
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で揺らしてくるエイミィに、隼人はただ耐えるしかなかったのだった。



☆★☆★



九校戦一日目である今日は、先程真由美の出番が終了したスピード・シューティングの男女予選から決勝トーナメントと、バトル・ボードの男女予選が行われる。
『バトル・ボード』とは、選手達から波乗りと称される競技だ。元々は、海軍の魔法師訓練用に考案されたもので、選手はサーフィンのような一枚のボードに乗り、加速魔法などを駆使して全長3kmの人口水路を三周し、勝者を競う。バトル・ボードのルールとして、他の選手やそのボードに攻撃することは禁じられているが、水面に魔法を行使することはルールの範囲内だ。最大速度は時速約55〜60キロに達する上、風除けは全くないため向かい風を正面から受ける。そういう面があり、この競技は相当な体力を消耗する競技として知られている。
まだ残ってスピード・シューティングを観戦するという英美とスバルと別れた隼人は、達也たちのグループと合流していた。

「女子には辛い競技だ。ほのか、体調管理は大丈夫か?」

「大丈夫です。達也さんにアドバイスしていただいてから体力トレーニングはずっと続けてきましたし、選手に選ばれてからは睡眠も長めに取るようにしていますから」

今回、ほのかは新人戦のバトル・ボードとミラージ・バットに出場することになっている。というのを、配布された各選手の出場種目一覧データに目を通しながら確認し、隼人は自分の出場種目をもう一度確認した。

(アイス・ピラーズ・ブレイクと、モノリス・コード…どっちも一条がいる…あ、紫道聖一もモノリス・コードに出るのか)

「ほのかも随分筋肉が付いてきたんですよ」

「やだ、やめてよ、深雪。私はそんな、マッチョ女になるつもりはないんだから」

と、雫の向こうで交わされる会話に、隼人と達也は思わず噴き出してしまった。

「ほら……達也さんにも九十九さんにも笑われちゃったじゃない」

「笑われたのは、ほのかの言い方がおかしかっただけだよ」

「雫まで。いいわよ、どうせ私は仲間外れだし。二人と違って、達也さんに試合も見てもらえないし」

いきなりいじけ出したほのかに、達也は困惑し、笑っていられなくなった。対して女心の分からない隼人は、なぜほのかが急にいじけ出したのか分からずに首を傾げた。それに、雫は溜息をつく。

「……ミラージ・バットは、ほのかの調整も担当させてもらうんだがな」

自分が気になっている人の鈍感ぶりに溜息をついた雫と、なぜか急に溜息をつかれてショックを受ける隼人。
そして、取り敢えず、言い掛かりと思しき部分は反論する達也だが。

「バトル・ボードは担当してもらえませんよね。深雪と雫は、二種目とも達也さんが担当するのに」

どうも逆効果
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