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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第97話 ここは何処、私は誰?
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が送り込んで来た涼宮ハルヒに直接接触をする監視役と言う事。

 もっとも、流石にそれだけでは心許なかったのでしょう。甲斐綾乃と言う偽教師も同時に派遣して来て居るのですから。
 もしかすると涼宮ハルヒ関係の事件は、もうひと波乱、ふた波乱ある、と水晶宮の上層部は考えて居るのかも知れませんが。

 このクラスの担任。甲斐……旧姓木村綾乃。元警視庁の特殊資料室所属の職員。特殊資料室と言うのは、古くは陰陽寮に繋がると言う、日本の霊的守護を担う為の警視庁関係の部署。其処で活動して居たのですが、名前からも判るように彼女は在野の術師一門の出身。当然のように家柄を最重要視する日本のお役所組織とは馴染めず、一九九九年に起きた地脈の龍事件の際に其処を退職。その後、水晶宮の表の顔。四光商事の渉外担当と言う部署で、同じような仕事……つまり、対妖魔担当の任務を熟して来た女性。

 尚、彼女は大陸由来の血族に繋がる一族で有ったが故に、日本の上層部……天の中津宮(あまのなかつみや)の意向で冷や飯を食わされて、閑職に追いやれていたのは間違いないようです。
 ……何故ならば、彼女は俺と同じ年頃の時に起きた事件。術者養成用の特殊な学校自体が大騒動に成るような多頭龍が復活した事件……当時は八岐大蛇復活の事件だと思われて居た事件を見事解決。その仲間たちと共に封印して仕舞った人材です。
 その学院の教師たちは、その多頭龍の首が未だ三本だった時に無理矢理突っ込んで行って敢え無く玉砕して居たらしいですから。

 家名だけで優秀な人材=術者を輩出出来るのなら、誰も苦労はしないと言う見本のような出来事なのですが。

 尚、後一人。俺の良く知って居る水の精霊王とウリ二つの少女型人工生命体の長門有希に関しても、立場上は神代万結と同じ立場なのですが、彼女の場合は事件の当事者と言う側面も持って居るので、現在は保護観察処分の最中と言うべき立場ですかね。
 もっとも、彼女単体ではこの世界で実体を維持出来ない構造と成って居るようなので、水晶宮から離れて仕舞う訳には行かないらしいのですが。

「あんた、万結の親戚だったの?」

 かなりの驚きを含んだハルヒの言葉。

「まぁな。そうやろう、万結?」

 うむ、上手く食い付いて来たな。そう考えながら、我関せず、の姿勢を貫く蒼い髪の毛、紅玉の瞳の少女に話し掛ける俺。
 もっとも、これは口から出まかせ。そもそも、俺が元々暮らして居た世界では、神代万結と言う名前の人工生命体の少女と出会った記憶は有りませんから。

 但し、生まれてから一度も彼女……神代万結と出会った事などない、とは断言出来ない相手でも有るのですが……。
 更に、親戚筋と言えば親戚筋で有るのも今のトコロは事実なのですが……。

 俺の言葉に、それまで何を考えて居
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