第6章 流されて異界
第97話 ここは何処、私は誰?
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い瞳と髪の毛については、この世界の、更に日本の高校に通う事が決まった時に染める事を勧められたのですが……。
ただ、俺がハルケギニア世界に帰るのに一番簡単な方法はタバサに召喚される事。
彼女との絆は強い物が有り、更に彼女の元には、俺との絆を示す召喚用の触媒がある。
それに、彼女が俺の再召喚を躊躇う理由はない……はずですから。
その召喚する際に彼女がイメージする俺の姿形は、おそらく蒼の髪の毛。蒼と紅の瞳を持つ少年。その姿形から離れるような容姿に成る訳には行きません。もしかすると、今の姿形を変える事により、俺とは別の存在をハルケギニアに召喚して仕舞い、更に厄介な事態を巻き起こす可能性もゼロでは有りませんから。
ただ……。ただ、一抹の不安、と言うか疑問がひとつ。
この世界に召喚されてから既に一週間は経って居るのですが、未だに俺が召喚される気配はないのですが……。
「それにふざけた髪の毛や瞳の色と言われてもなぁ――」
若干の不安を無理矢理呑み込み、俺はハルヒに固定していた視線を別の方向に向ける。それは普段通り、俺の右横の席に着いたまま、俺とハルヒのやり取りを気にする事なく自らの手元に開いた和漢により綴られた書籍に瞳を上下させていた紫の髪の毛の少女を越え、その向こう側……。
まるで双子の如き雰囲気。何と言うか、定規で引いたような精確さで椅子に腰を下ろし、正面……黒板を見つめるその姿は同じ。見た目は……確かに少し違う。それに、普段からずっと本を読み続けている訳でもない。髪の毛も紫と蒼の違いはある。
ただ……。
髪型も、双方共にまるで少年の如き短い目のボブカット。長門さんの方がややクセが有り、彼女の方はタバサと同じようにクセの少ない柔らかな髪質のように感じる。白い……東洋人の少女としてもかなり白い肌。紅と濃いブラウンの違いはあるけど、無と言う感情のみを浮かべた双眸。繊細な印象の整った指先。
彼女らの姿を構成する要素すべてがとても繊細で精緻。まるで人形のような雰囲気。
そう、その姿そのものが丁寧に造り込まれた芸術品のようで、恐ろしく微妙な均衡の元に出来上がっている美少女同士。
……彼女らはとても良く似ている。そう感じさせるもう一人の少女に視線を移す俺。
そうして、
「一応、親戚に当たる神代万結やって蒼い髪の毛に紅い瞳なんやから、俺の髪や瞳が少々日本人離れして居ても不思議でも何でもないと思うけどな」
そう言葉を続ける俺。
そう、神代万結。この世界の水晶宮の関係者。但し彼女に関しては龍種と言う訳ではなく、正真正銘の那托。誰が造り出したのか教えてはくれませんでしたが、何れは名のある仙人の造り出した宝貝人間なのでしょう。
そしてこの少女型人工生命体こそが、水晶宮
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