第6章 流されて異界
第97話 ここは何処、私は誰?
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ンと、首に掛けられた銀の首飾りが僅かに揺れる。
実際、黙って立って居たらかなりの美少女。いや、睨み付けるような瞳でも十分に魅力的と言えますか。
しかし……。
「何が、それで、……なのか判らないな。少なくとも、主語は必要やと思うけどな」
自分の席に座ったままで正面に立つハルヒをやや上目使いに見つめながら、そう答えを返す俺。……と言うか、異世界同位体の俺はこんな短いやり取りだけで、彼女が何を言いたいのか理解出来て居たと言う事なのですか?
そんな人間関係……。どう考えたって、単なる友人関係じゃないでしょうが。長年連れ添って来た夫婦でも、先ほどのハルヒの発した台詞だけで彼女が何を言おうとしたのか理解出来る人間がどれぐらい居るかと言うと……。
百組の夫婦が居て、その内の五組以下だと思いますね。そんな以心伝心のような真似が出来るのは。
「そんな事も判らないの!」
何故か益々不機嫌度が上がるハルヒ。う〜む。しかし、資料に書いて有った内容は信用出来ると思うし、長門さんも友人関係だと言い切りましたから……。
異世界同位体の俺はリーディングの能力でも持って居て、ハルヒの考えが言葉や行動で示される前に行動して居たと言うのでしょうか。
「あんたのそのふざけた髪の毛の色よ。先ずはそれから説明して貰いましょうか」
かなり苛立たしげに、そう言うハルヒ。
もっとも、先ずは、……と言う事は、それからがあると言う事なのでしょうが……。
ただ、髪の毛。ついでに瞳の色、なのでしょうねぇ。
ため息をひとつ吐いた後、自らの人類に有るまじき髪の毛の色と、一応、居ない事はない、と言う二色の瞳の色について考える俺。
但し、朝倉涼子や長門有希を受け入れている段階で俺程度の髪の毛の色など受け入れられると思うのですが。
そうして、
「これは俺の地毛。元々、そのふざけた色、と言うのが俺の髪の毛の色や」
取り敢えず、平然とそう答える俺。もっとも、これはウソ八百。俺の元々の髪の毛の色は濃い茶。遠目には黒に見えるかも知れませんが、しっかりと確認したら判る濃い茶系。
そもそも日本人なのですから、瞳と髪の毛は日本人に多い色に成るのは当然でしょう。アニメや漫画の登場人物じゃないのですから。
「何を言っているのよ。今年の二月に出会った時は黒だったじゃないの」
俺の髪の毛を睨み付けながら、そう言うハルヒ。
まぁ、そらそうでしょう。少なくともこの蒼の髪の毛はハルケギニア世界の十月以降の俺の特徴。いくら異世界同位体の俺とは言え、同じように日本に暮らして居た人間。そんな表向きは普通の人間に、このような奇妙奇天烈な特徴はなかったと思います。
ただ……。
当然、この蒼
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