第6章 流されて異界
第97話 ここは何処、私は誰?
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如クトゥルフの邪神が顕われると言う歴史が再現される事はなくなり、結果、世界は大過なく二〇〇二年を迎えたのです。
しかし……。
涼宮ハルヒと言う名前の少女が、その一九九九年七月七日の夜に何を行ったのか、……について詳しい内容を俺は知りません。
しかし、彼女が望んだのは世界が変わる事、だと言う事はこの資料に記載されて居ます。
彼女が望んだのは、世界の変革。退屈な普通の世界ではなく、不思議に満ちた世界。
ミシェル・ド・ノストラダームの諸世紀と言う本に書かれた五行詩に従い、一九九九年七の月に現われると言うアンゴルモアの大王と言う存在を呼び寄せようとしたのは想像に難くない。
そして、その結果現われたのが……。
自らの名前を名乗る事なく通称だけで、平然と現代社会の中で暮らして行ける名付けざられし者。
常に薄ら笑いを浮かべ、自らの事を末端の構成員だと嘯きながら、実はとある超能力者集団の長。
その他にも色々と厄介な連中をその瞬間に誕生させたらしいのですが。
例えば、俺の隣で授業を受けて居る人工生命体の少女長門有希や、朝倉涼子もその際に誕生した高次元意識体の産み出した人工生命体だったようです。
流石は神々の母と呼ばれる存在の因子を持つだけの事は有る、と言うべきですか。
但し、問題は彼女、涼宮ハルヒが改竄した歴史の流れ。
元々、一九九九年七月と言うのは地球に住む生命体に取っては、一度改竄……修正されて、世界を存続させる事に成功した歴史のターニングポイント。
その不安定な場所を、ただ、自らが退屈な世界で暮らすのに飽きたからと言う理由だけで改竄を繰り返され続けると……。
元々の世界。一度、滅びた世界の歴史が繰り返される可能性が高くなる。
まして、彼女が産み出したのか、それとも呼び出したのか判らない連中なのですが、そいつ等に対応するクトゥルフの邪神が実際に存在するのも事実ですから。
いや、彼女に植え付けられた因子が『神々の母』である以上……。
故に、一九九九年に起きたクトゥルフの邪神と涼宮ハルヒとの接触に因って発生したすべての存在……当然、その事件の当事者の涼宮ハルヒも含む……は、その事件が起こらない事が確定した今年の七月八日を持ってすべて消去。つまり、最初から存在しなかった事と為した方が楽だったはずなのですが……。
ここで、その事件を解決に尽力した人間。ぶっちゃけ俺の異世界同位体が、その結末に異議を唱え……。
具体的には、機関と呼ばれて居た涼宮ハルヒの能力に因り産み出された超能力者集団は、それぞれの国籍に応じた異能者の集団預かりと成り、
長門有希や朝倉涼子などの人工生命体も、人類及び地球に暮らす生命体に対して恭順を示した個体のみ同じ扱いに成ったのです。
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