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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第97話 ここは何処、私は誰?
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九九九年七月と言うのは、この世界で一番重要な歴史のターニングポイント。
 この俺が暮らして居る世界……いや、元々俺が暮らして居た世界もその始まりは同じ世界。元々はあるひとつの世界から枝分かれした平行世界。

 世界は一人の少女の手に因って滅び、二人の女性の手に因って産み出される。

 この御伽話……。いや、伝説が共に残されている世界。
 その元と成った世界は、一九九九年七月に何処かから。宇宙からとも、異世界からとも言われる場所から押し寄せた異形のモノに因って滅ぼされる事と成った世界。

 確かに、その世界にもかつては異種と呼ばれた存在。例えば天使、精霊、悪魔、龍、吸血鬼などや、魔法使い、仙人、超能力者なども存在する世界であった。
 しかし、多くの者たちは圧倒的多数の人類との同化を進め、結果として異種としての能力を失って行き……。更に、科学が発展する事に因り、魔法や超能力と呼ばれる能力を失って行った世界であった。

 いや、どうやらここに在る程度の介入があったらしい事は、後の世……。その世界から枝分かれした俺の暮らして居た世界では定説と成って居ました。
 そう、介入。元々、そう個体数の多くなかったそれらの存在の間に、何時の頃からかはっきりしないのですが、子供が産まれ辛い状態が訪れたのです。
 確かに、元来繁殖力と言う点に於いては、龍や吸血鬼などは人間に比べるとかなり劣った生命体だったのですが、それでも、少なくとも種を維持出来る程度の繁殖力は有していたはずです。双方共に魔法に因って肉体を強化出来たり、回復させたりする事が出来る以上、出産に関しても医療技術が低かった時代に於いても人類よりは産褥死(さんじょくし)などのリスクは非常に低かったはずです。
 しかし、現実には……。

 そして、人間の科学が発展する事によりその生息領域の縮小と、そして普通の人間との間の混血化により、更なる個体数の減少と能力を持たない子供の増加。
 いくら、元々生命体としてのポテンシャルが高かったそれらの種族で有ったとしても、何時かは滅びる……死亡する時がやって来る。
 更に、世界の覇権を握ろうとするヘブライの神に因る神話や伝承の破壊や書き換えに因って、本来、力を持って居た神族……異世界からの来訪者が貶められ、衰えて行く。

 そうやって、徐々に世界の防衛機構が弱らされて来て……。
 突如現れた神話上の生命。異形の神たち。
 その元と成った世界では核兵器すら効果的ではないクトゥルフの邪神に対して抗する術もなく……。

 しかし、その少なく成った能力者の中にたった一人だけ。最後の最期に誕生した時間跳躍能力者に因り世界の過去が書き換えられ、
 一度目の歴史では滅ぼされ、その時まで残って居なかった家系や種族が命脈を繋ぐ事に因り、一九九九年七月に突
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