第六十八話
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に対してそう言った瞬間、湖に浮かんでいた三面邪神の頭上から、先程戦っていたクラゲ邪神が来襲した。再び三面邪神を湖の中に押し込むと、そのまま複数の職種でタコ殴りを開始した。もちろん三面邪神も抵抗しようとはするものの、不意打ちということに加えて水中では思うように行動出来ず、クラゲ邪神に一方的にやられていく。
「あ、クラゲってそういう……」
レコンが息をゼーハーと肩で調えながら、得心が言ったように声を絞り出した。リズが言った『クラゲみたいな奴』ということで考えたのが、あの邪神は本来ならば水中での行動を得意とする邪神ではないか、ということ。そのキリトの思惑は成功し、クラゲ邪神はそれこそ故郷のように暴れまわり、三面邪神と辺りの氷を破壊していた。クラゲ邪神の『トドメだ』と言わんばかりのスパークが湖に鳴り響き、三面邪神は巨大なポリゴン片となって湖底に沈んでいく。
三面邪神のプレイヤーとは比べものにならないほど、巨大かつ赤いポリゴン片をバックに、クラゲ邪神は勝利の雄叫びをあげると、湖の水上に浮かび上がって来た。
「……で、これからどうするんだ」
キリトのごもっともな呟きがその空間を支配する。暴れまわっていた三面邪神は倒したものの、水を得たクラゲとなったあの邪神にも俺たちは適わない。……いや、適わないどころか、攻撃を受けたら一撃でHPが0になるほど、戦力に開きがあるのだろう。浮上してきたクラゲ邪神を油断なく見据えるものの、クラゲ邪神が特にこれと言って襲いかかってくる様子などはなかった。
それどころか俺たちに背中を見せて、抵抗の意思すらないように思えるが……?
「……大丈夫です。パパ、皆さん。この子、背中に乗って、って言っています」
「えっ……?」
俺たちが三面邪神から逃げていた時から姿を見せなかったユイが、ひょっこりとキリトの服の中から姿を見せると、クラゲ邪神に近づいてそんなことを言い放った。確かに背後を見せていて、なおかつ動こうとしないから背中には乗りやすいが、そうは言われてもその外見から皆二の足を踏んでしまう。
「……よし」
作戦を考えついた時のキリトの声に、どこか良く似た響きを持った決意の声が小さく聞こえる。それとともに、リーファが自身の武器であるレイピアの柄からその手を離し、まるで白旗をあげて降参するかのようにクラゲ邪神に近づいていく。
「リーファちゃん! 危ないよ!」
「大丈夫大丈夫……よっと」
レコンの警告に意外と軽々しい声で応えるとともに、思った通り簡単にリーファはクラゲ邪神の背中へとたどり着いた。その広い背中にダイナミックに横たわると、ユイもキリトから離れてリーファの下へ向かっていく。……まあユイが言う通り、今クラゲ邪神に危険はないようである。
「……ま、ま
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