第六十八話
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が記憶している姿とは違うが、あの大剣を背負った戦士が……キリトなのだろう。
「……久しぶりだな、キリト」
リーファたち三人が俺とリズのいる木陰にたどり着くと、とりあえずそうやって挨拶をした。リアルで連絡を取ったことはあったものの、さて、『こうして』顔を会わせたのはいつぶりだっただろうか?
「お前、ショウキか……!? ……ハッ。似合ってないぜ、そのお坊ちゃん面」
やかましい。ようやく最近、この金髪のお坊ちゃん面アバターにも慣れてきたというのに。そこの小さくなってる奴よりマシだ、と言い返したくなったものの、まだ近くで邪神たちが暴れている。そんな話は、まずはこの状況を脱してからにしなくては。
「えっと確か……ショウキくんとリズさん、よね? キリトくんとレコンから話は聞いてるわ。レコンがお世話になったみたいで……ありがとう」
「挨拶は後にしよう。それよりまずは、ここから脱出する手段を確保しないと」
そう聞いたリーファだったが、何故か気まずそうに目を伏せた。とりあえずこんな場所ではなく、ひとまずは落ち着ける場所に行きたいのだが、リーファたちがここから動こうとしない。どうした、と疑問の声を発する前に、俺の目の前を妖精が通り過ぎていった。
「お久しぶりです、ショウキさん」
「ユイ、か……」
アインクラッドで会ったキリトとアスナの娘こと、ユイが小さな手乗り妖精の姿で俺の目の前を飛翔する。アインクラッドでは生来の――幸いなことにあまり発揮されることはないが――子供が苦手な気質と、彼女の心を見透かすような目と話が苦手だったが、今の彼女からはそのどちらも感じられない。ナビゲーション・ピクシーというシステムとなり、キリトをサポートしていると聞いたが……
「その、リーファさんは……」
「ううん、待ってユイちゃん。その、私が直接言うから。……ありがとね」
俺とリズ、レコンには話が見えない展開だったのだが、リーファに言いにくいことを代わりにユイが言おうとした、ということだろうか。……人間より人間らしい気遣いが出来るのは、父と母の教育が良かったからか。そんなことを考えている間に、リーファは神妙な――しかし申し訳なさそうな面もちのまま、俺たちに頭を下げた。
「私たち、あの子を助けたいの。だから逃げられない」
「あの子?」
リズの疑問の言葉に対し、キリトが無言でその『あの子』がいる方向に指を指した。その指の向こうに見えるものは――今もくんずほぐれずの激闘を繰り広げている邪神たちだ。その戦いを良く観察してみれば、大剣を持った三面巨人が優勢に戦いを進めており、つまりリーファが助けたい『あの子』というのは……
「あのやられてる邪神のことか……?」
絶句する俺の言葉に対して、リーフ
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