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SAO−銀ノ月−
第六十八話
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を果たす鏡を見て、レコンは二の句を継がずに顔面を蒼白にした。レコンが落ち着くより俺たちが見た方が早い、ということをこの道中で学んだ俺たちは、レコンの腕の中で震える闇魔法のレーダーを覗き見た。最も近くにいるプレイヤーの反応は俺とリズだとして、もう少し向こうにも二種類のプレイヤーの反応がある。スプリガンとシルフの反応――こんなところに二人でいるプレイヤーでその種族となると、その向こうにある反応はキリトとリーファで間違いないだろう。

 ……問題は、そのキリトとリーファの反応が、今現在暴れている邪神たちのすぐ側にあることか。確かに邪神たちの足元を良く見てみると、俺たちが焚き火をしていたような洞穴がある。

「どうするか……」

「――すぐ助けなくちゃ!」

「ちょっと! レコン!?」

 頭を回転させて手段を考えあぐねている俺に対して、レコンが即座に木陰から洞穴に向かって走り出していった。リズの制止の声も聞かずに、リーファの名前を叫びながら彼は邪神へと向かって行く。とは言ってもただ無謀に突っ込んでいった訳ではなく、走っていくうちにレコンの姿が、カメレオンのようにその場に溶け込んで――パーティーメンバーである俺たちには、半透明の姿となって――いく。

 レコンの得意技である隠蔽魔法だ。元々のサイズの差や戦闘中ということもあり、隠蔽魔法も併せて邪神たちはレコンのことなど歯牙にもかけていない。そのまま邪神たちの足元を抜けていき、吸い込まれるようにリーファが待つ洞穴へと入って――――行こうとしたその時。洞穴から飛び出してきた、緑色のプレイヤーとレコンが正面衝突した。

「キャッ!? ……って、レコン!?」

 ぶつかって尻餅をついた衝撃でレコンの隠蔽魔法の効果が消えると、同じくぶつかって尻餅をついていたシルフのプレイヤーが、レコンの顔を指差しながら驚愕していた。俺は彼女と一度共闘しただけに過ぎないが、その実力とともに顔は良く覚えている。

 シルフのリーファ。キリトとともに世界樹を目指している、レコンが好きな女性プレイヤーである。

「むぐっ……リーファちゃ――」

「馬鹿、あんまり大声だしたら気づかれるでしょ!」

 ようやくリーファと会えることとなったレコンが、つい喜びの声を出そうとするのを、リーファが力ずくで口を塞いで止める。……結果としては、どちらにせよ大声は放たれることとなったのだが、幸いにも邪神の叫び声の方が声量は大きかった。

「アンタがどうしてここに――」

「それよりこっちだよ、こっち!」

 何とも噛み合わない会話を繰り広げながらも、レコンはリーファの手を引いて俺とリズがいる木陰へと向かって来る。……そしてその後ろにはもう1人、真っ黒な服に身を包んだオールバックのスプリガンがいた。当然ながら俺
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