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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
錬金術師の帰還篇
31.研修前夜の訪問者
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等部の連中にはな」
つまり雪菜には聞かせたくない、ということか。
「叶瀬賢生を覚えているな」
那月の唐突な質問に、彩斗は、夏音を化け物に変えた男の顔を思い出す。
「ああ。あのクソ野郎だろ」
「“仮面憑き”の事件の容疑者として、管理公社の施設で保護観察処分を受けていた」
なぜここであの男の名前が出てくる。不吉な予感を覚える。
「一昨日、叶瀬賢生は何者かに襲撃された。一命は取り留めたが、重傷だ」
「襲われた……!?」
彩斗は驚いて立ち上がる。
「……犯人は赤白チェックの錬金術師か?」
「天塚汞を知っているのか?」
「名前は知らねぇ。昨日の夏音を狙ってやがったからとりあえずぶん殴った」
那月は彩斗の言葉を聞いて呆れた表情をする。
「心配するな。叶瀬夏音には護衛につける。連中には予定どおり宿泊研修に行ってもらう。おそらくそのほうが安全だ」
「たしかにそうだな」
絃神島は本土から三百キロ以上も離れた絶海の孤島。そこまで逃がせばどんな相手であろうと追跡は不可能だ。
「どのみち叶瀬夏音を受刑中の父親に会わせてやることはできん。負傷したことを知らせて、余計な心配をかけることはあるまい。それよりも本人の安全を優先させてもらおう」
「はなから夏音とあいつとは会わせねぇよ。那月ちゃん。俺にできることがあれば言ってくれ」
那月は、くっ、と喉を鳴らして意地悪く笑った。あっ、バカ、余計なことを──と、浅葱が頭を抱えるが、もう遅い。
「そうか、協力してくれるか。おまえたちには、ぜひ補修授業を受けてもらいたいと思っていたがところだ。いつもの三倍な」
「そっちかよ──!?」
その日の放課後──どうにか補習を終えて下校する彩斗を校門で待ち構えている人物がいた。ギターケースを背負った少女だ。
学校で一言も口を利いてくれなかったので待っているとは思わなかった。
なんとかこの状況を打開しようと策を巡らすがその前に彼女から近づいてきた。
「やっと終わったんだね。遅いよ」
「え? あ、ああ」
友妃が怒っていると思っていた彩斗は戸惑う。
「浅葱ちゃんは帰ったんだね」
「お、おう」
いつ友妃が本性を表すかからないので彩斗はビクビクしている。
はあ、と友妃はため息をつく。
「別にあのことは怒ってないからいいよ」
「そ、そうか」
「彩斗君のことだから、那月ちゃんに攻撃されたから浅葱ちゃんが危ないと思って押し倒したんでしょ?」
「わかってんなら恐いオーラだすなよな」
彩斗は苦笑いを浮かべる。
「ちょっと悪戯してみたかったからね」
無邪気な笑みでしてやったみ
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