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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
錬金術師の帰還篇
31.研修前夜の訪問者
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つ。ひとつは事故現場を確認して情報を得ることだ。
そしてもうひとつは、本当に猫だ。
夏音がまた子猫たちを拾ってきてないとは限らない。
一緒に暮らしているとはいえ、いつも一緒にいるわけではないので夏音がまた拾ってきてあの修道院で子猫の世話をしているなら危険だ。
夏音が再び修道院跡地に出入りしていることを知ったら赤白の錬金術師は、彼女を狙うだろう。それだけは阻止しなければならない。
そんなことを考えながら、彩斗は見晴らしのいい丘の上にたどり着く。
「──痛ェ!?」
突然横殴りに襲ってきた衝撃に、彩斗の身体が吹き飛んだ。
まったく攻撃の気配を感じなかった。見えない衝撃。何者かが空間をすっ飛ばしながら、鈍器で殴りつけられたようなダメージだった。
「さ、彩斗!?」
いきなり倒れた彩斗を見て、浅葱が慌てて駆け寄ってくる。
彼女は謎の攻撃に気づいていない。
「浅葱──っ!」
「えっ!? ええっ!?」
彩斗は強引に浅葱の手を引っ張る。彼女は大きくバランスを崩し、背中から仰向けに倒れそうになるのを抱きとめて、彩斗は口を塞ぐ。
「少し静かにしろ!」
もごもごとうごめく浅葱の耳元に、彩斗は荒っぽく囁いた。
「や、やだ……」
言葉とは裏腹に浅葱の抵抗は弱々しい。かすかに瞳を潤ませながら、彩斗を見上げる。
無反応な彩斗に戸惑ったように睨んで、浅葱は低い声を出す。
「…………彩斗?」
「じっとしてろよ。バレたらまずいからな」
彩斗はわずかに首をあげる。
「こんなところでなにしてるのかなぁ?」
一気に血の気が引いていく。
彼女がここにいるわけない。
首をゆっくり声のした方へと向ける。彩海学園高等部の制服に黒色のギターケースを背負っている少女だった。
「ゆ、友妃さん……あのー、こ、これは何かしらの事故的な何かがありまして」
「そうだよね。バレたらまずいもんね」
満面の笑みを浮かべて友妃はこちらに近づいてくる。
「学校から抜け出して、こんなところでクラスメイトを押し倒すとはいい根性だな、緒河彩斗。おまえはもっとヘタレだと思っていたが、少し見直したぞ。悪い意味で」
友妃の後方にいたフリルまみれの日傘を掲げた豪華なドレス姿の少女が皮肉っぽく言った。
「藍羽、おまえももう少し相手を選べ。これだから見た目だけビッチな万年処女は……」
「うう、ほっといてください……ビッチじゃないし……」
浅葱が弱々しく反論する。
「それより那月ちゃんに逢崎もなにがあったんだ?」
落ち込む浅葱はとりあえず放置して、彩斗が訊く。
「下手に嗅ぎ回られても厄介だから教えてやろう。他言はするなよ。特に中
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