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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
錬金術師の帰還篇
31.研修前夜の訪問者
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だ。あの赤白の錬金術師がなぜ夏音を狙うのかを。
彩斗の少ない知識で考えて見たところ夏音が昔暮らしていた修道院が引っかかったのだ。特に確信があったわけではない。
だが、情報のないときは一から調べるのが手っ取り早く結論にたどり着ける。
「たしか五年前くらいに大きな事故があったわね」
そう言いながらスマートフォンを弄りだした浅葱が、画面を睨んで不機嫌そうな声を出す。
「どうだった?」
「検索かけても出てこない……データが消されてる?」
「古い事件だから、記録が残ってないんじゃないのか?」
「人工島管理公社のアーカイヴよ」
その言葉は不気味なものを感じた。
「つまり、誰かに消されてるってことか?」
「そうかもね。人工島管理公社に行ってログを漁れば、なにかわかるかもしれないけど……でもこれは下手に突っつかないほうがいいかも。ちょっと危ない気がする」
「そうか……」
事件のことが消されてるてことはよっぽど知られたくない情報が入っていたということだろう。
それが赤白の錬金術師の仕業なら、アデラート修道院の事件の背後には、予想以上に大きな秘密が隠されているようだ。
「ていうか、あんた、そんな何年も前の事故を調べさせるためにあたしを呼び出したわけ? ほかになんか訊くことないの?」
浅葱が不満そうに唇を尖らせて文句を言う。
「悪い、浅葱。用事ができた。ちょっと出る」
「……は?」
ズボンのポケットからスマートフォンを取り出し時刻を確認する。
登校時間まではまだ四十分近くある。
「授業は欠席するから、上手いこと言っといてくれ」
「ちょっと、彩斗! 待てこら!」
浅葱の声を無視して彩斗は走りだした。
「待ちなさいよ、彩斗!」
浅葱も走ってついてくる。
「ついてこなくていいぞ」
「あんたね。あたしをこんな早くに呼び出しておいて学校を抜け出すとかどういうことよ! だいたいどこにいく気よ?」
鬼気迫る表情で問い詰められて、彩斗は目を逸らす。
「修道院の跡地を見に行くだけだ。ちょっと気になることがあるんだよ」
早口で言って、彩斗はさっさと校舎の外に出た。
一度校内に入った生徒が教師に見つかれば面倒なので全力疾走で校外へと出る。
しかし浅葱も革靴に履き替えて追いかけてくるのだ。
「なによ? 気になることって?」
「猫だよ……猫」
「は? 猫……?」
彩斗の返答に、浅葱は機嫌は更に悪化したようだった。これ以上は彩斗の正体でも明かさない限り、説明などできない。
どうしたら諦めてくれるかと考えてみたが不可能だと悟った。
彩斗が修道院に向かう理由はふた
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