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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
錬金術師の帰還篇
31.研修前夜の訪問者
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ごく表情で彩斗を睨んでいる。
「い、今のは……そ、その……」
「彩斗君のバカ……」
その後、やけ食いのように友妃がガツガツとアイスを食べ終える。
「そうだ、そこ入ろ! そこお店!」
「え!?」
凪沙が指差した店を見て、彩斗と古城、雪菜がほとんど同時に声を洩らす。ピンクを基調にした可愛らしい店構え。ショーウィンドウに飾られているのは、ゴージャスなランジェリー姿のマネキンだ。どこからどう見ても下着屋である。
「ほらほら、タイムセールやってるみたいだし。やっぱり旅行のときは下着にも気を遣わないとねー。あれなんか雪菜ちゃんに似合いそう。夏音ちゃんも友妃ちゃんも任せて。ばっちりコーディネートしてあげるから。あ、古城君と彩斗君は外で待っててよ!」
「頼まれても中には入らねーよ!」
「はぁー……」
彩斗は深いため息をつく。
ためらう雪菜と夏音の手を引いて、凪沙が下着屋に入っていく。
友妃も渋々ついていく。
「とりあえず、テメェは誰だ」
彩斗は先ほどからこちらを見ていた男に話しかける。
純白のマントコートに、赤白チェックのネクタイと帽子。左手には銀色のステッキを握っている。見た目の年齢は二十歳前後だが、それよりもずっと年老いてるようにも、幼くも見える。
奇術師めいた胡散臭い印象の男だ。
「今の銀髪の彼女、綺麗な子だね」
男は愉快そうに目を細めて笑う。
その目は、鮮血のようなおぞましく赤い。
「あんたには関係ないだろ」
古城もやっと気づき警戒しだす。
この男から血の臭いがする。
「あんたは誰なんだ?」
古城が問う。
「僕か。僕は、真理の探究者だよ」
「……は?」
男の言葉に古城は一瞬唖然とした。
その直後だった。男の右腕から、蛇のようにのたうつなにかが放たれた。
金属質の輝きを帯びた、粘性の強い黒銀色の液体だ。それは古城の腕に巻きつこうとする。
金属と古城の間に魔力を纏わせた右手を横殴りにする。
強大な魔力の塊が黒銀の液体を弾き飛ばす。
「気抜いてんじゃねぇよ、古城!」
「助かった。サンキュ、彩斗」
あの黒銀色の金属は普通の代物ではないだろう。
「ふぅん。あれを防ぐのか。さっきから妙な気配がすると思ったら、きみたち、人間じゃないね」
自分の右手を眺めながら、男が不機嫌そうに目を眇めた。
「未登録の魔族……吸血鬼か。アルディギア王家が寄越したボディーガードってわけでもなさそうだけど、まあいいや。できれば目立たないように殺したかったんだけどね──」
男が再び右腕を掲げた。
その指先から、再び黒銀の液体が迸る。それは細く鋭い刃物と化して、凄まじい速
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