暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
錬金術師の帰還篇
31.研修前夜の訪問者
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るつもりなのだろう?)
「まぁ、俺には関係ないことか」
彩斗は大きな伸びをして目の前に現れた朝日を睨みつけた。
「はあ……美味しい」
夕方の明るい陽射しの中で、暁凪沙がとろけるような感嘆の声を出す。
商業地区ショッピングモール内のカフェテラス。屋外のテーブルに座って彼女が舐めているのは、三段重ねの巨大なアイスクリームだった。
同じテーブルを囲んでいるのは彩斗と友妃。そして第四真祖の古城と友妃と同じ獅子王機関の剣巫の雪菜、日本人離れした北欧系の美貌の“中等部の聖女”こと叶瀬夏音だ。
「やっぱり、るる屋のアイスは最高だね。この芳醇な味わいとサッパリした後味が」
幼い子供のようにアイスにかぶりつきながら、凪沙が愉しげに解説する。
「たく……大事なお願いっていうからなにかと思えば、荷物持ちかよ。おまえは目上の人間をなんだと思ってるんだ……」
古城は不機嫌そうに頬杖を突いて呟いた。
「だから、お礼にアイスを奢ってあげてるでしょ。可愛い妹の頼みなんだから、お買い物くらい付き合ってよ。こんな大きな荷物持ってたら、ゆっくりお店回れないでしょ。彩斗君は文句一つ言わずについてきてくれたよ」
「それは夏音ちゃんがいるからに決まってるじゃんか。ね、彩斗君」
アイスを口に頬張りながら友妃は微笑む。
「ちげぇだろうが。おまえが俺を無理やり連れてきたんだろ」
彩斗は気怠そうに呟いた。
いつものように真っ先に帰ろうとしたところで校門で待ち構えていた中等部の三人によって買い物に付き合わされた。そのまま振り切って帰ろうともしたのだが、気怠そうな第四真祖と獅子王機関の剣帝によって強制連行されたのだ。
彩斗は暑さで若干溶けかけているアイスを頬張る。
「どうしたんだ、夏音。ぼーっとして」
会話に参加せずに、ぼんやりと遠くを見ていた夏音に気づいて、彩斗が訊いた。
夏音は少し照れたように振り返る。
「すみません。アイスが美味しかったので幸せでした」
彼女の笑顔に思わず目を奪われた。
聖女という呼び名が相応しいと思えるほどに穏やかな表情に。
「それじゃあこれやるよ」
彩斗は少し食べられているがひと玉残っていたアイスのカップを差し出した。
夏音は目を輝かせる。
「じゃあ、一口だけ……実はイチゴ味も気になってた、でした」
子犬のように喜んでいる夏音を見て、彩斗はわずかに頬を緩ませる。
「彩斗さん。アイス、ついてます」
「ん?」
そう言って、夏音が突然ナプキンで彩斗の唇を拭ってくれる。驚きのあまり硬直する。それでも彩斗の身体は反応し、顔が紅潮していく。
不意に突き刺さるような視線に振り向くと、友妃がものす
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