第2話 願いの破壊はプレゼント!?
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、知ってますか?」
杏舎が、話を始めた。多分変わっていない。
「伝説って、あぁ、それって、夢の跡で願ったことが叶う……」
「まるで、とても凄い魔法のようじゃないですか?」
「魔法、あ!」
私は思わず叫んだ。
「魔法の使用の号令をかけるのは脳。その脳が願ったことを膨大な術力が叶えてしまうんでしょうね」
杏舎はニッコリと微笑んだ。
「じゃあ、その術石を破壊するっていうのも、」
「術石に願ったことが叶ってしまうからです。それに、術石の欠片を拾ったらその人が力を持ちすぎてしまう。数年間術力を失い続けた、今まで誰も気づかなかったような小さな欠片を、まだ右も左も分からない学生が使って、どうなるか分かったでしょう?」
「煌星祭の直後に、小石くらいの大きさの欠片を、そこそこ術力と経験のある悪人が使ったら……」
「というわけで、地球に欠片が届く前に破壊しますよ。前回みたいに漏れがあると面倒ですから」
「長い話が終わったか。それで、どうやって宇宙に行く?」
欠伸混じりに話を聞いていた居木実が混ざってきた。
「今の僕の術力なら、宇宙服とロケットを創る位余裕ですよ」
「す、凄いわね……」
私達は地球を飛び立った。地球の青さを確認する間も無く、紫色にぼんやり光る隕石に出会う。
「で、でかい」
そりゃ隕石だから当然なんだけども。
「あいつらを壊せばいいのか?」
居木実は隕石群を指さした。
術石に近づけば、術量と術力が増すので、破壊出来るようになる。杏舎はロケットに乗る前にそう言っていた。
ちなみに音声の伝達も杏舎が創った無線機で出来るようになってる。
「よっしゃ!思いっきりやってやろうじゃん!」
私は術石群に泳ぎ出た。
術力で威力を増した居木実の拳が術石を砕き、杏舎の小さな魔法生物達が術石を何度も貫き、見たことないような莫大な術力を手に入れた私は術石を次々と粉々にしていく。
夢の中のような派手な体験は、10分程で終わった。
「お疲れ様ー」
「お疲れ様です、先輩」
簡単に言えば、私達が出向く必要なんてなかった。
阿莉亜先輩と?城先輩が大阪に行くなんて嘘で、本当は宇宙に行っていた。
今回の術石群は特に数が多いらしいので、毎回術石を破壊している人達から、生徒協議員の2人が術石の破壊を依頼されたらしい。それも杏舎にすら内緒で。
だけどそれこそ最初は、阿莉亜先輩と?城先輩ですら術石のことを知らされてなかったらしい。
「ごめんね、騙してて」
「いえ、隠さないといけなくなる事情は分かりますから」
そう言って、私は私達が宇宙に来た理由を話した。
「へぇぇ、お菓子の城かぁ」
「でもわさびかからしか何かが入ってるっぽかったですよ」
「私、甘いのも辛いのも好きだったから食べてみたいかも」
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