第2話 願いの破壊はプレゼント!?
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井が抜けて、暮れかかった太陽が見える。
「さっきまで大切って言っていた仲間はどうしたんですか?」
そして上から聞こえるのは、この廃墟の中に似合わない、涼しい声。
「貴様がやったのか!」
ボスっぽい子が上を見ている間に私は居木実達の方を見る。
「なんだこれ……」
「長がやってくれたんだ!」
「有り難う御座います、長!」
「……」
あっちは半球状のバリアで守ってたみたい。
「天井のような大きい物が降ってくる時は、崩す分量を間違ってもいいように自分達にも防護壁をはっておかないと。それが嫌なら、いっそのこと全員を転移させてもいいんですよ?あなたの術量なら、それ位出来たでしょう?」
杏舎が師匠か何かのようにボスに語りかけた。
「……それで、私達を煙突へ突き落としたことへの謝罪は?」
私は白い目で杏舎を見る。
「煙突から吸い上げればいいですか?」
杏舎はニコッと微笑んだ。
「是非ともお願いしたいけどどっかの馬鹿が煙突毎天井を崩したの」
私は『入口』に目を向けた。
「では、その人に代わって私が煙突を作りましょう」
杏舎はそう言ってピエロのような態とらしく恭しいお辞儀をした。
すると、周囲が一瞬で透明になり、真っ白になった。
そしてそこに、茶色い四角や赤や青の球がくっついていく。
「では、ご賞味あれ」
杏舎はそういうと外壁の赤い球を私に投げてきた。
大きさは卵の長い方の辺位。グミみたいな光沢を放ってる。ん?ご賞味ってことは……
私はそれを杏舎に投げ返した。
「うぎゃあああああ!」
「ひいいいいい!」
あっちの方で悲鳴が上がってる。
大方、お菓子の家(大量のわさび入り)とかそんなのでしょう。初歩的ね。その手はもう10回は引っかかってるからもう簡単には騙されない。
「……ってあなたこんなことも出来たの?」
こいつらが、不自然な位強大な術力をもってして行ったことを?
「貴様!よくも騙したな!」
やっぱりボスだった子が術力弾を放つ。
ぽひゅう
けど、その勢いは年相応か、もっと酷いものだった。術力に何もコーティングせずに撃てば普通はすぐに減速する。そしてその通り、何もせずに簡単に消えてしまった。
「な!?」
ボスは鍵でも探すように胸ポケットを漁った。
「あ!?ぁあ!?」
「そんな失くしやすい所に置いとくと、不慮の事故の時にすぐに落としてしまいますよ」
今回の不慮の事件の加害者らしき人がニコニコしながら語っている。
「返せ!人のものを盗るなよ!」
「……えっと、そのあんたが盗んだ物が、彼の術力を高めてたの?」
ボスの意見を取り敢えず無視して、私は杏舎に確認を取った。
「はい。あなた達が頑張って走り回っている間に、彼の術力の流れを見ていました。すると、胸ポケ
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