第1話 プレゼントは願いの破壊!?
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法生物辺りに観察させていたのか、杏舎は上を向いた。
「煙突って……今時暖炉なんて使わないでしょ」
「サンタでも入ってくるんじゃないですか?」
杏舎はそう言って魔法の詠唱をした。
「うわっ!」
急に私の体が持ち上がり、全身がMの字に折れる。急に上下する視界の中居木実の方を見ると、居木実も同じ体勢になっている。
「あなた達には術量の消費を抑えてもらわなければならないですからね」
こき使う気だ。絶対にそうだ。私はそう思いながらもこれを振り解くこともないと思って素直にお姫様だっこを受ける。
空気に術力を与え身長1m程の人間にする、『33尺』という昔からある魔法。割と基礎的だけど、人を持てる程のものを3体作るのは簡単なことじゃない。
33尺が跳躍すると、あっさりと屋根につく。そこでみんな降ろしてもらった。
「では2人で下の様子を見てきて下さい」
杏舎は私と居木実に微笑みかけた。
「……って言って、突き落とす気じゃないでしょうね?」
私は、洒落にならないことを笑顔でやる杏舎に疑惑の目を向ける。
「僕を、疑うんですか?」
杏舎は怯えたような目で私を見上げた。
「疑う」
私は断言した。
「全く、酷いですね。僕を信じられないなんて」
杏舎は態とらしく顔をしかめてみせた。
「日頃の行いのせいじゃないかしら?」
「お姉様、これを期に改めて下さい」
「いや私のじゃなくて」
「おい、お前ら遊んでる場合じゃないぞ」
居木実が煙突からちょこんと顔を出した。
「仕方無いですね、僕も一緒に潜ります。そうすればある程度マシでしょう?」
「……」
何もしないよりはマシなので、それで手を打つことにして、私達も煙突に潜ることにした。
中は暗いけど凄く綺麗。そりゃ暖炉使ってないなら煤は出ないけど。
「中途半端な美学ね」
私は呟いた。いや、貫けってわけじゃないけど。
内側はつるつるの鉄なので魔法ではりついている。これの為の術量は流石に杏舎からもらうわけにはいかない。だけど、居木実は杏舎の魔法で張り付いている。だから、杏舎が落とそうと思えば好きな時に落とせる。
「……居木実、私の術力使いなよ」
私は居木実に囁いた。
「お前の助けなんて借りん」
居木実は突っ慳貪に返した。
「あっそ。杏舎に暇潰しに落とされても知ら……」
「うわぁぁぁ!」
私がそう言ったか言わないかの内に、居木実は遊園地のアトラクションのように綺麗に落下していった。
「ちょっ!杏舎!」
「人のふり見て我がふり直せ」
杏舎がそう囁いたのを合図にしたように、今までなんではりつけたのかって位綺麗に私は煙突から剥がされた。
「え!?」
私は慌てて手と煙突を魔法で繋ごうとするけど、濡れてる物を接着するみたいにうまくいかない。
「
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