第1話 プレゼントは願いの破壊!?
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てどうでもよかったじゃん」
そう思うと無駄に疲れが襲って来るけど気にしない。
「えっと……」
煌星祭はこの地域のお祭りで、みんなで『夢の跡』って所に行って騒ぐらしい。
なんでもその日は術石が大量に降ってくるらしく、夢の跡でそれを見ると願い事が叶うらしい。
それで、その日は煌星祭の中でも術石が特に多く降るらしい。
「『難病に侵された少年が病気の治癒とたい焼きを食べることを祈ったところ、両方叶ったところからこの場所を《夢の跡》と呼ぶようになりました』ねぇ」
なんか今までは楽しく噂話やってきたのに発祥でいきなり宗教じみてきた。この祭り参加しても大丈夫でしょうね?変なのに勧誘されないわよね?
「胡散臭いな。見る価値も無い」
「……朝の挨拶は、おはようじゃないかしら?」
いきなり全てをぶち壊しながら現れたのは、クラスメイトの居木実 苑倶。
「おはよう。それで、そんな下らないモンジロジロ見て何が楽しいんだ?」
「とても参考になるぞっとする程絶対に頭痛のしそうな実に雑な挨拶ね」
言ってて悲しくなってきた。やめよう。
「こんな子供騙しの企画、どうでもいい」
良く言えば鋭い、悪く言えば人と友好的に接することが滅多に無さそうな排他的な目で居木実はサッと私を見る。
「どうせ、寂れた夢の跡周辺の金回りをよくする為の企画だろ?」
「でも、難病とたい焼きが同時に叶ったって、嘘ならそんな風にする?どっちかでいいじゃない」
私だって胡散臭いと思ってるけどここまで言われると言い返したくなるのが人間ってもの。
「難病とたい焼き?なんだそれ」
「ある少年が難病の治療とたい焼きの両方を祈ったらどっちも叶ったの?ホントに何も見ないで言ってたのね」
「ふん」
突き放すように居木実が鼻を鳴らすと、「あのー」というのんびりとした声がした。
「おはようございます」
私達が振り向くと阿莉亜先輩がとても人間らしくペコンと頭を下げていた。
青鵜木 阿莉亜先輩。3人しかいない『生徒協議員』の1人で、単純な術量なら勝てる人は校内でも数える程しかいないんだとか。
「お早う御座います」
私もお辞儀をした。苑倶も軽く礼を返す。
「今日も、『雑術部』に頼みがあって来たの」
阿莉亜先輩はふるりと微笑んだ。
『雑術部』。日常の雑用からそれ以上のことまで幅広く行う部活。ちゃんと学校公認で、部費も降りてる。その代わり依頼人から代金は取らないことになってるけど。
「はい、なんですか?」
それで、いつも職務でてんてこ舞いの『生徒協議員』からの依頼も少なくなかったりする。でもそのおかげで?城先輩にも会えたりするし、悪くはないかな。
「何かいいことあった?」
「ひゅお!?」
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